...歴然(くつきり)と夕照(せきせう)の名残の中に浮んでゐる...
石川啄木 「鳥影」
...くつきり夕照の名殘の中に浮んでゐる...
石川啄木 「鳥影」
...空は僅かに夕照(ゆふばえ)の名残をとどめてゐるだけで...
石川啄木 「道」
...夕照りうららかな四囲の若葉をその水面に写し...
伊藤左千夫 「春の潮」
...太平洋の夕照とかわりありません...
田中英光 「オリンポスの果実」
...さればお城から見わたしますと、眼も遥かな山河が絵のように打ちひろがり、平等院(びょうどういん)、扇の芝、塔の嶋、山吹の瀬、宇治おち、かたうらの蔵松、真木の鈎月、伏見の指月など、名所古蹟は申すまでもなく、西は八幡、山崎、狐河、淀、一口(いもあらい)のあたりへかけ、長江悠々として千鳥のこえも此処彼処(こゝかしこ)にきこえ、遠浦の帰帆、漁村の夕照、四季おり/\の風情(ふぜい)おもしろく、定めし見飽かぬ眺めだったでござりましょう...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...この駒ヶ嶽の絶巓に微かに消え行く夕照(せきせう)の光を望み見て...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...山巓なる夕照の光は次第に微かに...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...惟夕照ノ西ニ没シ鐘声ノ暮ヲ報ズルヲ恨ムノミ...
永井荷風 「上野」
...例へば雲の白きに流るる水の青きと夕照(ゆうやけ)の空の薄赤きとを対照せしめたる...
永井荷風 「江戸芸術論」
...途上神田川の夕照甚佳なり...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...夕照丘々は、胸に手を当て退けり...
中原中也 「山羊の歌」
...西に富士はくれなゐの夕照(ゆふばえ)にくつきりと白く...
長谷川時雨 「大川ばた」
...琵琶湖の夕照がまだ後ろにはよく見えた...
吉川英治 「私本太平記」
...遠き夕照(ゆうで)りをうけて金羽(きんう)さんらんとして見えるかと思えば...
吉川英治 「神州天馬侠」
...まだ逆川(さかさがわ)に夕照(ゆうで)りのあかあかと反映(はんえい)していたころ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...夕照(ゆうでり)をみながら少し無理な道(みち)のりをかけ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...夕照(ゆうばえ)の空に静かに上っていく...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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