...まっさおに晴天の後の夕暮れが催しているころだった...
有島武郎 「或る女」
...見渡せば花ももみじもなかりけり浦のとまやの秋の夕暮れ(二九)その他小堀遠州(こぼりえんしゅう)のような人々はまた別の効果を求めた...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...撃剣の見せ物の法螺の貝がぶう/\と夕暮れの空に鳴り渡り...
谷崎潤一郎 「少年」
...夕暮れに校長の家から使いがある...
田山花袋 「田舎教師」
...それどころか、冬の寒い夕暮れ、わざわざ廻(まわ)り路(みち)をしてその女の家を突き留めたことがある...
田山花袋 「少女病」
...翌日夕暮れに、彼はまたそこへ行った...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...腹がへつて夕暮れで...
仲村渠 「明るい顔」
...蕭条(しょうじょう)と雨の降る夕暮れである...
北條民雄 「いのちの初夜」
...二人は夕暮れまで暇をつぶした...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...全員夕暮れどき、居間の暖炉の回りでそんなことを話しながら、やがてランプに火がともる頃、扉が開いて、背筋のぴんと伸びた痩せた男が出し抜けに入ってきた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...山かげはすでに夕暮れらしい風が吹いていたが...
宮嶋資夫 「恨なき殺人」
...夕暮れより船を催して鱈(たら)...
武者金吉 「地震なまず」
...「『月待ちて』(夕暮れは道たどたどし月待ちて云々(うんぬん))とも言いますのに」若々しいふうで宮がこうお言いになるのが憎く思われるはずもない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...夕暮れの淡い銀灰色の靄(もや)のなかに沈んで行く町と海が...
山川方夫 「箱の中のあなた」
...夕暮れるに従って菫色に変って来る...
横光利一 「欧洲紀行」
...それはちょうど夕暮れ前で...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
...もう夕暮れになったので急いで唐招提寺に回り...
和辻哲郎 「四十年前のエキスカージョン」
...たといそれが親しい者の死というごとき重大な瞬間でない場合でも、たとえば夕暮れ、遊び疲れてとぼとぼと家路をたどる時などに、心の底まで滲(し)み入(い)ってくるあの透明な悲哀...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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