...巣(す)に帰る鳥が飛び連れてかあかあと夕焼けのした空のあなたに見えています...
有島武郎 「燕と王子」
...それは彼女が自身の美しさに朝夕生々した自覚を持つ...
犬養健 「朧夜」
...確かにあなたはその日の夕刻から翌日の午前一時半までクラブから一歩も外に出られなかったんですか」「そうです...
海野十三 「地獄の使者」
...夕日には大倭島根をかくす...
高木敏雄 「比較神話学」
...」夕食後、おかみさんと、娘さんと、交る交る、私の肩をたたいてくれる...
太宰治 「富嶽百景」
...夕方、樹明君が酒と肴とを奢ることになつて用意してゐると、敬君がまた酒と肴とを持つて来た、三人楽しく飲み且つ語る、過去の物語が賑つた、十時近くなつて快く散会、近来うれしい会合だつた、ぐつすり前後不覚の睡眠がめぐまれた...
種田山頭火 「其中日記」
...夕方、矢島さん来訪、何となく労れてゐられるやうに見える、大事にしたまへ、ほんたうに...
種田山頭火 「其中日記」
...心ゆくばかり降る雨の夕を...
寺田寅彦 「やもり物語」
...雨のしとしと降る或る夕方...
豊島与志雄 「古井戸」
...夕方路地を入った人間をいちいち覚えている人はあるまいから訊(き)いても無駄だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...癆症(らうしやう)の氣味で三月も起きません」「それは氣の毒だな」「毎日夕方から熱が出るんださうで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...× × ×五里近い道を歩いて來て、すつかりくたびれたところへ、強(し)ひるほどに呑むほどに、夕方はもう、すつかり虎になつた八五郎は、宵宮の村が賑やかになる頃は、ぐつすり寢込んでしまつて、呼んでも叩いても起きることではありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの象は十四日の夕方まで伝馬町の火避地(ひよけち)に飾ってあったんだが...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...「今夜、なにが、はじまるというの?」「家じゃ、夕食には、服を着換えて食堂へ出ることになった...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...夕方まで「ロッパ自叙伝」の脚本書き...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...夕ぐれの陽が、センチメンタリズムを、手伝ったのか...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...土曜の夕方になるとやって来ては...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...「『月待ちて』(夕暮れは道たどたどし月待ちて云々(うんぬん))とも言いますのに」若々しいふうで宮がこうお言いになるのが憎く思われるはずもない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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