...二荒の山の裾野にあかねさす紫匂ふ花あやめかも櫻草の花によく似る紫の花めでつゝも名を知らずけり花あやめしみ咲きにほふ紫の花野を來れば物思もなし紫の雲ゐる野べに朝遊び夕遊びます二荒の神湯の滝を見...
伊藤左千夫 「滝見の旅」
...急に夕立がざつと降り出して来た...
薄田泣菫 「茶話」
...悪戯(いたづら)2・3(夕)英国のウインゾル王宮の皇室図書館に...
薄田泣菫 「茶話」
...・草のそのまま枯れてゐるそのまま枯れて草の蔓(ツル)・楢の葉の枯れてかさかさ鳴つてゐる・燃えてあたたかな灰となつてゆく・食べるもの食べつくし何を考へるでもない冬夜・いたづらに寒うしてよごれた手・冬日まぶしく飯をたべない顔で・落葉ひよろ/\あるいてゆくひよろ/\あるけばぬかるみとなり落葉する・落葉して夕空の柚子のありどころ(再録)一月十九日雪もよひ...
種田山頭火 「其中日記」
...夕方、敬君来、つゞいて樹明来、暮羊来、お土産のハムを下物におもしろく飲み、めづらしく句を作つたが、三人いつしよに街へ出かけて、K屋、F屋とほつつき歩いて、みんなだらしなくなつた、先づ敬君が行方不明、樹明君が雲隠れ、そして虎になつた暮君を虎になりたがる山頭火が辛うじて引張つて帰つた、二時頃だつたらう...
種田山頭火 「旅日記」
...それに二里足(た)らずの路(みち)を朝に夕べに通うのはめんどうくさい...
田山花袋 「田舎教師」
...夕暮の膳(ぜん)の上の酒は夥(おびただ)しく量を加えて...
田山花袋 「蒲団」
...こうした意味の思想動員は恐らく困難であろう(日本文化中央連盟に対する注文を私は去る八月九日の『東京日々』の夕刊に書いたから省く)...
戸坂潤 「思想動員論」
...そして高い青空が一杯に明るい夕陽の光線を含んでいた...
豊島与志雄 「囚われ」
...我々は夕暮の本郷台(ほんごうだい)を急ぎ足でどしどし通り抜けて...
夏目漱石 「こころ」
...折々(をり/\)昨夕(ゆうべ)の光景(くわうけい)が眼(め)に浮(うか)ぶに連(つ)れて...
夏目漱石 「門」
...ある薄寒い日の夕方のことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...(その九)秋は夕ぐれ夕日花やかにさして...
一葉 「暗夜」
...夕方であつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ブルース卿に面識のないモートン氏を夕食会に連れて行くなんて」「政治用件だよ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...早い奴から湯に這入って軽い夕食を摂る...
夢野久作 「二重心臓」
...その夕、最前線にあったのは...
吉川英治 「私本太平記」
...夕風をうごかして...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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