...椿岳の画を愛好する少数好事家(こうずか)ですらが丁度朝顔や万年青(おもと)の変り種を珍らしがると同じ心持で芸術のハイブリッドとしての椿岳の奇の半面を鑑賞したに過ぎなかったのだ...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...殿様は一番変り種の小鳥や獣(けもの)が好きで...
薄田泣菫 「茶話」
...五年変り種漁りに憂身を※(やつ)していたのであったが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...妻の心は来春の品評会と犬の変り種とで一杯を占めてしまったのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ただ単に変り種の愛玩犬を世の中に提供しようと考えたまでであって...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...妙子が四人の姉妹達の中で一人そう云う変り種になったことについては...
谷崎潤一郎 「細雪」
...この変り種の妹が何か又事件を惹(ひ)き起しはしまいかと思うと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...自分たちの中では一番向う見ずで「変り種」とさえ云われている妙子でも...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今の変り種の絵とはどうもちがった腹の底から来る熱が籠っていると思われる...
寺田寅彦 「二科展院展急行瞥見記」
...漱石門下で漱石文化の批判をやらねばならぬ位置におかれている変り種は左翼の作家評論家江口渙氏である...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...草木には偶然変り種が出るやうに...
永井荷風 「来訪者」
...大医博士深根輔仁(おおいはかせふかねすけひと)の『本草和名(ほんぞうわみょう)』にもねえ全く変り種だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ドイツ浪漫(ロマン)派の変り種だ...
野村胡堂 「楽聖物語」
...もう一人、高座の変り種に、ブラックというイギリス人の真打格がいて、異色編の両大関を張っていた...
野村胡堂 「胡堂百話」
...紅白さまざまの変り種の躑躅が咲いていた...
平林初之輔 「人造人間」
...ミルクワンタンというような変り種...
古川緑波 「ああ東京は食い倒れ」
...「私は白人の中でも変り種です...
夢野久作 「戦場」
...私達孟買(ボンベイ)在住の日本人にとっては珍らしい変り種にちがいないのです...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
便利!手書き漢字入力検索