...「病室の奴等は……」と思ふとその饒舌の声々に腹が立つたが...
中原中也 「医者と赤ン坊」
...鶯や黄びたきの声々……正に万象が冬眠から覚めて...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...『吹くや後の山おろし関路の鳥も声々に』とあつて...
野口米次郎 「能楽論」
...その声々は睡れない僕を滅茶苦茶に掻きむしる...
原民喜 「悪夢」
...殺られるぞ」兵隊たちは嵐の闇のなかで声々に叫びかわしながら...
久生十蘭 「ノア」
...大声々驟雨(ゆうだち)の井を倒(さかさ)にするごとく...
南方熊楠 「十二支考」
...その声々(かくかく)(日本のキャッキャッ)として咳(せき)するごとし...
南方熊楠 「十二支考」
...遊ぶ声々はきこえているが姿はよく見えない...
「朝の風」
...一九四五年八月十五日以後の新しく生きようとする日本のしののめのうちに響いた人間の甦りの声々であった...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...ただ待っちゃいられないもの」声々に後を押されるようにしてドアの外へ消えた飯田は...
「海流」
...声々の多い場所で働いている者は...
宮本百合子 「芸術が必要とする科学」
...「どうしたんだ?」「どうした?」と客車の方で騒いでゐる声々...
三好十郎 「おスミの持参金」
...エジャナイカの声々が潮のように起る)何だありゃ?仙太 フフン...
三好十郎 「斬られの仙太」
...近所のそんな声々を...
吉川英治 「大岡越前」
...いうような声々が潮のように耳近く聞かれた...
吉川英治 「三国志」
...もどせ」「足場がわるい」声々...
吉川英治 「私本太平記」
...鉦(かね)も打たず旗も振らず、音なき波の歩みのように粛々(しゅくしゅく)とこれへ向ってまいります」との、声々だった...
吉川英治 「私本太平記」
...将門が襲(よ)せて来るぞという声々に...
吉川英治 「平の将門」
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