...そうして今まで立っていたこちらの汀を振返っては声々に笑ったり話したりしていた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...「フランシス」「ベルナルドーネの若い騎士」「円卓子(パンサ・ロトンダ)の盟主」などと声々に叫び立てながら...
有島武郎 「クララの出家」
...女王様ばんざい!」口々にわめく酔いどれの声々が混乱して...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...から/\と引き出せば後にまた御機嫌ようの声々あまり悪からぬものなり...
寺田寅彦 「東上記」
...右へ廻れば藤棚の下に「御子供衆への御土産一銭から御座ります」と声々に叫ぶ玩具売(おもちゃう)りの女の子...
寺田寅彦 「半日ある記」
...そして四辺一めんの涼しい虫の声々が...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...鶯や黄びたきの声々……正に万象が冬眠から覚めて...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...おのおの贔負(ひいき)とする仕止師(マタドール)の名を呼びかけるその声々...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...その声々は陰気極まる屍体置場の天井に幾度もうち当り...
久生十蘭 「魔都」
...命令の声々が慌しく飛び交す...
牧逸馬 「運命のSOS」
...それほどもうそのころ日に夜に圓朝の周りを取り巻きだしていた人気の声々は高まってきていたのだったといえよう...
正岡容 「小説 圓朝」
...『号外ーッ』というけたたましい声々...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...大声々驟雨(ゆうだち)の井を倒(さかさ)にするごとく...
南方熊楠 「十二支考」
...まったく新しい社会各面の人々の心の声々を誘いだし...
宮本百合子 「歌声よ、おこれ」
...一面、吉(きっぽう)兄弟は、城外に火を放って、声々に、(天子の勅命によって、こよい国賊を伐つ...
吉川英治 「三国志」
...うろたえ合う声々のどこかで...
吉川英治 「私本太平記」
...鉦(かね)も打たず旗も振らず、音なき波の歩みのように粛々(しゅくしゅく)とこれへ向ってまいります」との、声々だった...
吉川英治 「私本太平記」
...かくも生れながらの嬰児(あかご)のように純な姿で神妙に首うなだれて聞き入っているのはいったい何の力なのか?絃々(げんげん)に抑(おさ)え声々(せいせい)に想(おも)い平生 志を得ざるを訴うるに似たり眉を低(た)れ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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