...焼け材やトタンを使った小さな壕舎(ごうしゃ)があった...
梅崎春生 「狂い凧」
...防空壕(ぼうくうごう)という防空壕は水浸(みずびた)しになり...
海野十三 「地軸作戦」
...母は二歳の男の子を脊負つて壕の奧にうずくまつてゐる...
太宰治 「お伽草紙」
...もともと、この瘤取りの話は、宇治拾遺物語から發してゐるものらしいが、防空壕の中で、あれこれ原典を詮議する事は不可能である...
太宰治 「お伽草紙」
...僕はそのころ、おかあさんとふるえながら、壕の中で、一面火の海になったのを見ていましたけれども、らんちゅうのことなんか気がつきませんでした...
林芙美子 「お父さん」
...裏はお壕の土堤でその広い間をブッ通して占めていた...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...現に公園と成居る鷹場園の壕や...
南方熊楠 「蓮の花開く音を聽く事」
...山ん中などに掘った横穴壕を利用している...
三好十郎 「冒した者」
...土や小岩のくずれるような音がドロドロと壕全体にこもってきこえる...
三好十郎 「胎内」
...壕舎は、しけましてねえ、又ひどくリューマチが出まして...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...今頃佐々が荻窪の防空壕にぼんやりしているとは思えないが...
三好十郎 「肌の匂い」
...食おう」久保は防空壕の方へおりて行く...
三好十郎 「肌の匂い」
...この壕を遠卷きにして國友の部下らしい者の數人がウロウロしているという事を...
三好十郎 「肌の匂い」
...壕つくりの場所よりみいだされました」靱負之助は笄をさしだしながら...
山本周五郎 「日本婦道記」
...兵馬が壕の中を走って来た...
山本周五郎 「風流太平記」
...塹壕の外に故意(わざ)と足を投出したり...
夢野久作 「戦場」
...城のまわりに塁壕(るいごう)を深く掘らせ...
吉川英治 「新書太閤記」
...キャメラは始終草の茂った塹壕の中や...
オン・ワタナベ(渡辺温) 「兵士と女優」
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