...僻陬(へきすう)の村夫子(そんふうし)猶且(なほか)つ彼が名を記して幸福なる詩人と云ふ...
石川啄木 「閑天地」
...出羽奥州すでに化外の僻陬と見なされてゐたのだから...
太宰治 「津軽」
...ボカス・デルトーロの辺陬(へんすう)から世界的な重大発表をするらしいという噂が...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...伝説そのもののように絵画的な僻陬(へきすう)の小市だ...
谷譲次 「踊る地平線」
...僻陬の地の民俗が必しも常に上代の民俗として見るべきものでないとすれば...
津田左右吉 「日本上代史の研究に関する二、三の傾向について」
...第二 家庭の児長門(ながと)は山陽の西陬(せいすう)に僻在(へきざい)す...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...李と粟飯にも当時の東国の辺陬(へんしう)らしさがあつて宜しい...
中勘助 「府中のけやき」
...尤モ僻陬ノ一小廓ナリ...
永井荷風 「上野」
...そして浮浪の士と辺陬の書生に名と富と権力とを与へた...
永井壮吉 「冬日の窓」
...わが伊那の地が山間の僻陬(へきすう)にありながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんにしても東北の北陬(ほくすう)ですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...近頃(ちかごろ)賢者(けんじゃ)の噂(うわさ)も高い学匠(がくしょう)・陬人(すうひと)孔丘(こうきゅう)を辱(はずか)しめてくれようものと思い立った...
中島敦 「弟子」
...北備辺陬の山地の郡宰として送つてゐる...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...そして今年の七月十四日に「全計画の成否を決定すべき一弾」がニューメキシコ州僻陬(へきすう)の荒蕪地(こうぶち)に建てられた鉄塔の上に吊(つる)されるまでは...
中谷宇吉郎 「原子爆弾雑話」
...今迄は上國の文明奧陬に及んだとは云ふものゝ...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...杖を引っ張って山坂を越してくるのでげすから」根津から小石川小日向へまでを「山坂」云々はいかにもそのころの辺陬(へんすう)の感じがあらわれていて...
正岡容 「我が圓朝研究」
...僻陬ノ村落ト雖モ聖教ニ沐シ...
南方熊楠 「作文三篇」
...それにもかかわらずなお今日に至るまで国の辺陬(へんすう)に住む多くの農民の間に...
柳田国男 「海上の道」
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