...いよいよ佳境に入ろうとしているらしい...
芥川龍之介 「葱」
...心は夢の境を辿つて居るのだ...
千家元麿 「自分は見た」
...物を蔵する言語とを有せりさればかろくして責なきその声のひびきのなやましさよ聞くに堪へざる俗調は君とわれとの心を取りて不倫と滑稽との境に擬せむとすのろはれたるもの梟の族...
高村光太郎 「智恵子抄」
...一説には華王院境内の池辺に葬ったとも云い...
谷崎潤一郎 「覚海上人天狗になる事」
...又自分が呼吸する環境に対してあくまで生きた交互作用を持つために...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...お袋が畑で仕事をして居れば笠の中へ入れて畑境の卯つ木のもとへ捨てゝおく...
長塚節 「芋掘り」
...順境(じゆんきやう)にゐて得意(とくい)な振舞(ふるまひ)をするものに逢(あ)ふと...
夏目漱石 「門」
...ますますフランクの意志と健康とを必要とする逆境に当らなければならなかったのである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...すべて「青猫」に現れた同じ詩境の續篇であり...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...雨のブルースのやうな貧弱な環境ではないのだ...
林芙美子 「浮雲」
...根津のゴンゲン様の境内で休む...
林芙美子 「新版 放浪記」
...旅館の中は依然として無人の境のように静かであった...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...境遇の与へる日(ひ)の要求を果した間々に...
森鴎外 「妄想」
...たまたまその境地に置かれた是からの南島研究者たちは...
柳田国男 「海上の道」
...この境界を超脱した純正純美なる鼻の表現の持ち主こそ真の紳士...
夢野久作 「鼻の表現」
...四面敵中という境界で書いた陣中の著述である...
吉川英治 「私本太平記」
...――当時の大国が、どこでもやっていたように、自国の境や、遠隔の飛び地に、それとなく手なずけておいた程度の――一衛星国――それが徳川家における上田城の真田だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...宗麟は筑後の国境へ出て肥前の竜造寺と勝負を決しようと考えるまで勢力を回復した...
和辻哲郎 「鎖国」
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