...大きくいえば塵ひとつとどめぬ程きれいになった...
石川欣一 「比島投降記」
...垢と塵埃に縞目もわからぬ木綿の古袷...
石川啄木 「雲は天才である」
...塵塚(ちりづか)の塵(ちり)である...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...万丈の塵(ちり)の中に人の家の屋根より高き処々...
泉鏡花 「凱旋祭」
...騎馬兵がさらに砂塵を挙げて吶喊(とっかん)してきました...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...津村は油単の塵(ちり)を拭(ぬぐ)って...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...それが空気の溷濁(こんだく)を起すようないわゆる塵埃の多少によって系統的に変化する事が分る...
寺田寅彦 「塵埃と光」
...冠毛は鮮血及び塵埃にむごくまみれぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...それはイオンよりも塵の方が霧粒の芯になる作用が強いからである...
中谷宇吉郎 「「茶碗の湯」のことなど」
...本人はそんな暗い蔭などの微塵(みぢん)もない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...塵(ちり)一はしの置塲(おきば)も變(かわ)らず...
樋口一葉 「われから」
...而(しか)して塵(ちり)は本(もと)の如(ごと)く土に帰り霊魂(たましい)はこれを賦(さず)けし神にかえるべし」(7)穿顱錐(せんろすい)で頭蓋骨を穿(うが)つ手術...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「早すぎる埋葬」
...支那の名馬は、周穆王(ぼくおう)の八駿、その名は赤驥、盗驪、白義、踰輪、山子、渠黄、華※、緑耳で、漢文帝の九逸は、浮雲、赤電、絶群、逸驃、紫燕、緑、竜子、駒、絶塵だ、前者は毛色、後者は動作を主に名の因とした...
南方熊楠 「十二支考」
...この頃私はあなたに対して微塵(みじん)もひがんで居りませんから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...先日も申上げた通り先ず塩を沢山床の上へ振り撒(ま)いて塵や細菌の舞い上らないようにしてそれから掃くとこれほど清潔になる事はありません...
村井弦斎 「食道楽」
...置いてある御馳走へは畳の塵(ごみ)が舞い上って自然と溜(た)まるし...
村井弦斎 「食道楽」
...塵(ちり)を取るためとは思わずに...
森鴎外 「あそび」
...塵(ちり)もとどめぬ妻の心です」「…………」「学問諸芸にはそれぞれ徳があり...
山本周五郎 「日本婦道記」
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