...男雛(をびな)の塩瀬(しほぜ)の石帯(せきたい)にも定紋(ぢやうもん)と替へ紋とが互違ひに繍(ぬ)ひになつて居りますとか...
芥川龍之介 「雛」
...塩瀬の服紗(ふくさ)に包んだ一管の横笛を袴腰に帯びていた...
泉鏡花 「薄紅梅」
...ちいさな紅(あか)い塩瀬(しおぜ)の袱紗(ふくさ)を二つにたたんで両端を持ってぴったり口にふたをするのでござりましたがそういう時はいつもの童顔が幼稚園の子供の顔のようにみえて二十(はたち)を越した人のようにはおもえなんだと申します...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...地質は多分塩瀬(しおぜ)であろう...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...」開けてみると刺繍(ししう)の美事な塩瀬(しほぜ)の半襟が二掛畳みこまれてあつたが...
徳田秋声 「のらもの」
...塩瀬の単衣(ひとえ)と縦呂(たてろ)の羽織とを重ねて...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...赤いてがらの細君は帯の間から塩瀬(しおぜ)の小(ちいさ)い紙入(かみいれ)を出して...
永井荷風 「深川の唄」
...いきなり塩瀬(しおぜ)の五(いつ)つ紋(もん)をつらまえた...
夏目漱石 「野分」
...塩瀬(しおぜ)は羽織が大事だから引かれながら行く...
夏目漱石 「野分」
...塩瀬はちょっと驚ろいて振り向いたまでは...
夏目漱石 「野分」
...渋谷の塩瀬で支那めしをかっ込むと...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ビクターへ電話して奥村を塩瀬の喫茶部へ呼び...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...塩瀬のコーヒー店で...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...八月十九日(土曜)十二時半の約束なので、塩瀬迄行く...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...塩瀬の支那料理食って...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...東京の塩瀬のお菓子と云う因縁付きの取って置きの物まで食べさせたりした...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...紅塩瀬に金泥で竹を描いた帯まで胸高に締めさせられた章子の様子には...
宮本百合子 「高台寺」
...それから今一つ塩瀬(しおせ)の菓子折の包みを受け取ると...
夢野久作 「あやかしの鼓」
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