...「それが悪いといっとるのがわからないか……おれの面(つら)に泥(どろ)を塗りこくっとる……こっちに来い(そういいながら倉地は葉子の手を取って自分の膝(ひざ)の上に葉子の上体をたくし込んだ)...
有島武郎 「或る女」
...またスキーの裏に白蝋を塗る小さな鏝(内部に固形アルコールを入れて熱する)はちょっとしたアイロニングに非常に能率的である...
石川欣一 「可愛い山」
...鷹の爪に毒を塗ってあったものではないかとの疑いで...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「美人鷹匠」
...片側に赤く塗った妙見寺(みょうけんじ)の塀と...
永井荷風 「すみだ川」
...佗しそうに赤い絵具をベタベタ蝶々に塗っている...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...家を白く塗つたり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...塗渡(とわた)る蟻(あり)...
二葉亭四迷 「浮雲」
...糠パンにバターを塗っていた手をとめて...
前田河広一郎 「ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より」
...一めんに何か防水剤のような黒い塗料がきせてあった...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...未だ壁は塗つてなかつたから...
牧野信一 「心象風景」
...その先祖犬山姥(やまうば)を殺し自分耳にその血を塗って後日の証としたのが今に遺(のこ)ったと言う...
南方熊楠 「十二支考」
...明治文壇を碁盤と見立てゝ、詩歌小説の魂膽を機械的遊戲とごつちやにし、棋將碁うち混ぜたる入法外(いりほが)の差出口、五ならべの初心者をつかまへても、初より八段に桂馬飛せさせむと肝を煎り、まだ歩もつかぬ盤面に指さして、それ王手をと氣を焦燥(いらだ)ち、嗚呼(あゝ)この堂々たる手の裏(うち)に、金は無いか、銀將無きかとうれたがり、今にして、斷(た)ち截(き)らずば、末を奈何(いかに)と懸念貌(けねんがほ)、仔細らしく意味取りちがへて濫用する圍棋詞(ことば)の粘、塗、抑、約いと五月蠅(うるさ)しと...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...活版に使う墨で塗り消すことさ...
森鴎外 「食堂」
...晏子出遭二之塗一...
司馬遷 箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...まるで漆塗(うるしぬり)のように輝きます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...やはり子供等は白いものを塗りました...
柳田國男 「日本の伝説」
...ペンキ塗りの高い家が一つできれば...
柳田国男 「雪国の春」
...恐ろしく紅く塗り立ててゐたその色彩人形(いろどりにんぎやう)を嘲るつもりとであつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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