...否(しか)らざれば二氏は木偶泥塑を以ツて完全なる小説を作れと命ずる者と一般なり...
石橋忍月 「罪過論」
...整美なること彫塑に似たる夢思とを恣にして之に生動の氣を與ふ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...ルコント・ドゥ・リイルに彫塑の形を具へ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...銅像は彫塑家の手際で何(ど)うかすると...
薄田泣菫 「茶話」
...当時の塑像は西洋流の塑像の拵え方とは違って...
高村光太郎 「回想録」
...この市の唯一のダダイストである塑像家(そざうか)M―氏の経営(さう大袈裟(おほげさ)なものではないだらうが)に係るものだことを...
徳田秋声 「町の踊り場」
...もう此処(ここ)へ来た時の「悲しみの塑像」といった淋しいおもかげはありません...
野村胡堂 「水中の宮殿」
...悲しく挙げた顔は塑像(そぞう)のように硬張(こわば)って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...人間といふより塑像か何かのやうに無機物の神秘な表情をしてゐたのを憶ひ出す...
原民喜 「火の子供」
...塑像がのぞいている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...それは趙の所で塑像を造っていた旅の工人が...
森鴎外 「魚玄機」
...つまりわれわれが塑像における欠点よりも黄金像における欠点に一そう不愉快になるようなわけであろうか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...画伯の座辺は虎の皮や大小の虎の彫塑...
山本笑月 「明治世相百話」
...春吉の医師松田盛氏の紹介で糸島出身の彫塑(ちょうそ)家津上昌平氏がこの評議に参加した...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...同夜十時頃、前記虎間トラ子教諭が訪問した際も、依然として就床しいるものと思い、女将スミ子が起しに行きたるに夜具の中は藻抜(もぬけ)の空(から)となり、枕元に破封されたる長文の女文字の手紙と並べて虎間女史に宛てたる遺書が置かれたるを発見したるより大騒ぎとなり、県当局、警察当局、同校職員総動員の下に同校長の行方捜索を開始したが、今朝に到るまで同校長の所在は不明で、ただ目下、同校内玄関前に建設の予定にて、東都彫塑、朝倉星雲氏の手にて製作中と伝えられおりし同校長の頌徳寿像(しょうとくじゅぞう)の、塵埃(ちり)と青錆とに包まれたる青銅胸像が、白布に包まれたるまま同下宿、森栖氏専用の押入中より転がり出で、人々を驚かしたのみである...
夢野久作 「少女地獄」
...彫塑や其他(そのた)の工芸美術品も対等の取扱を受けて毫(がう)も会自身に価値を定めようとする所が無く...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...可塑的で頑健な身体を時に応じて必要な手足や器官へと様々に変形させてきた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...そうしてそれが塑像であることと何らか密接な関連を持っているらしく見えることである...
和辻哲郎 「麦積山塑像の示唆するもの」
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