...センティメンタルに考えるところに肉慾の世界という堕落した人生観が仮想される...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...男子は自から許したる恋愛によつて自から堕落したるが如く感じ...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...世には確かに二葉亭の信ずるような拠(よんどこ)ろない境遇の犠牲となって堕落した天才や...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...英雄時代の書物はわれわれの母国語で印刷された場合でさえ堕落した時代に対しては常に不可解の国語であろう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...もう自分は堕落したというような悔いもあった...
田山花袋 「田舎教師」
...ずっと神聖かもしれませんよ! 若い時分には周囲の感化で堕落したかもしれないが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そんなに堕落したのか...
豊島与志雄 「田舎者」
...堕落した自身ジャヴェルの姿を見た...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...すべていったん堕落した以上...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...夜盗追剥の類にまで堕落したとすれば...
中里介山 「大菩薩峠」
...趣味の堕落したものは依然として現存する...
夏目漱石 「野分」
...獣(けもの)を食ったりいろいろの悪(あく)もの食いをしつくしたあげくついに石炭まで食うように堕落したのは不憫(ふびん)である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...堕落した学生たちは「運転手になるのだっけ」というような言辞(ことば)をもてあそんで恥なかった...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...彼の堕落した行状を責めて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...我々の堕落した風儀に引きずられている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ちょうど堕落した人間を死刑の執行に使用するのと同じことで...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...このほうが堕落した行為だ...
山本周五郎 「竹柏記」
...残るところは堕落した本能ばかりである...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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