...上品に納り返つてゐるとその儘僕を風流の魔子(まし)に堕落させる惧がある...
芥川龍之介 「芸術その他」
...仏国のジヤン・バチスト・セエ(一七六七―一八三二年)は一人の人間が常に針の十八分の一の部分だけを作つて暮らすなぞといふことは人間性の尊厳を堕落させるものだと言つてゐる...
石川三四郎 「社会的分業論」
...誘惑の設備を許されてゐるから青年の情欲を刺戟して堕落させるが私娼は公然挑発しないと仰有るのは少し変だと思ひます...
伊藤野枝 「青山菊栄様へ」
...そして堕落させる外に...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...自分を堕落させるばかりじゃ...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...人を堕落させるものはその口中にはいる食物ではなく...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...―――やがては自分をどんなに堕落させるかも知れない奇怪な部屋から...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...この国防精神を多少でも堕落させる平和論は...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...人一人を堕落させるのは大事件だ...
夏目漱石 「坑夫」
...ただあなたの周囲に寄る純潔な魂を堕落させるのみだったではありませんか...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...個々の俺達の仲間までも堕落させるんだ...
葉山嘉樹 「牢獄の半日」
...力を合せて人間を堕落させることに致しませう...
宮原晃一郎 「悪魔の尾」
...「彼は永井を堕落させる」と書いて来た...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...これも彼女たち職業婦人を堕落させる有力な原因となった...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...堕落させるとかするのを不良少年少女と考えられている位であった...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...その仏教を急激に腐敗堕落させる経路ばかりを追ってきた...
吉川英治 「平の将門」
...世人の心を堕落させる」「でも先生...
吉川英治 「宮本武蔵」
...段々と堕落させる様に仕向け...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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