...こんな一私人のアトリエに国宝が置いてある筈がないじゃないか」波越氏がたまげた様な声を出した...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...これより後は、一私人として、さらに印刷局に願ひいでずてはかなはず、その出願には、規則の手續を要せらるゝ事ありて、豫算にたがへる事もおこりしかば、編輯局にうれへまうす事どもありしかど、今はせむかたなしとて郤けられぬ、稿本下賜の恩命もあれば、しひて違約の愁訴もしかねて、それより、家兄修二、佐久間貞一君、益田孝君などの周旋を得て、とかくの手つゞきして、からうじて再着手とはなれり、此の間も、中止せられぬること、六十餘日に及びぬ...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...一私人の寄附とすれば...
大町桂月 「鹽原新七不思議」
...純粋に一私人的生活に終始し...
高村光太郎 「智恵子抄」
...純粋に一私人的生活に終始し...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...読者にとってはなんの興味もない一私人の経験を長たらしく書き並べたかというと...
寺田寅彦 「科学と文学」
...何等の関係のない一私人が文部省に対して『貴省の留学生夏目が発狂した……』と打電したなら其こそ本気の沙汰ではありますまい...
土井晩翠 「漱石さんのロンドンにおけるエピソード」
...省の官命に因て派遣された者の行動に関し消息に関して督学官に非ず監督官にあらず一私人が本省に打電するといふべきことはあり得べきことでせうか...
土井晩翠 「漱石さんのロンドンにおけるエピソード」
...一官人か一私人かに打電したとなら果して誰に対してですか...
土井晩翠 「漱石さんのロンドンにおけるエピソード」
...僕は一私人でありたいし...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一私人の力でできるはずはないのですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...仮りに一私人が罷(まか)り出たとして...
中原中也 「我邦感傷主義寸感」
...一私人として見まいに来たのをきいて...
浜尾四郎 「正義」
...それが一私人の私事であつても...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...加之(しかのみ)ならず本来今度の生麦事件で英国が一私人殺害の為(た)めに大層な事を日本政府に云掛(いいか)けて...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...一私人として江戸で学んだものなどもその例は幾らもある...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...家庭の一私人として...
吉川英治 「大岡越前」
...いかにわしの蓄(たくわ)えと俸給でも、そんな多額な金目の物を、一私人としては、都の岳父(おしゅうと)に贈りうるはずのものではないからな...
吉川英治 「新・水滸伝」
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