...真実を報じやうと云ふ堅実な考へはまるでないやうに思はれる...
伊藤野枝 「女教員の縊死」
...堅実なる新らしい文学の基礎を固め...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...堅実な一兵卒になって...
太宰治 「火の鳥」
...社会の堅実なる秩序の為には順応型の人も必要であって...
津田左右吉 「流れ行く歴史の動力」
...現在の映画ファンの中の堅実な分子の中から総理大臣文部大臣以下各局長が輩出する時代が来て始めて私の夢は実現されるかもしれない...
寺田寅彦 「教育映画について」
...堅実なる第二国民の養成を天職とする全国二十五万の小学校教員は...
戸坂潤 「社会時評」
...却って堅実な弾力を見せて来たと見ていいようだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...お松は堅実なる女性である...
中里介山 「大菩薩峠」
...ブラームスの堅実な良さ...
野村胡堂 「楽聖物語」
...堅実な職場をみつけて働くつもりです...
林芙美子 「浮雲」
...合理的かつ堅実な体系を常に導き得る...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...私がそこですぐさま向う見ずに跳びこんでいった無分別な愚行の渦(うず)は、自分の過去の月日の泡(あわ)だけを除いてすべてを洗い去り、堅実な、または真面目な印象は一つ残らずさっさとのみこみ、以前の生涯(しょうがい)の全く浮薄なものだけしか記憶に残さなかったのだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...ともかくも二人の子供を立派に育て上げた堅実な寡婦...
堀辰雄 「菜穂子」
...理智的で、堅実な筆致で、そしてぎごちなくない、相当落着き払つた清新味もある...
牧野信一 「会話一片」
...それがどの位私の堅実な健康を助けているのか知れません...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...権威ある堅実な著書の売行が減少したのである...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...その御人格も堅実な方であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...天才は勉強だ、彼らの才能はさほど特殊なものではない(ニイチェのような人ですら三十四の年にこう言いました)、才能少なくして偉大な人間になった人はあらゆる方面にある、彼らはただごまかしをしない、堅実な、辛抱強い Handwerker-Ernst があったのだ...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
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