...それは大停車場のような堅実な広さだった...
谷譲次 「踊る地平線」
...堅実なる第二国民の養成を天職とする全国二十五万の小学校教員は...
戸坂潤 「社会時評」
...其の精敏堅実なる事務的能力は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...敢(あえ)てその全史に渉(わた)らざるもよし限られし一時代につきてもよく堅実なる研究の基礎となるべきや疑ひなし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...自ら守ることの堅実な消極的忍耐と...
中里介山 「大菩薩峠」
...お松は堅実なる女性である...
中里介山 「大菩薩峠」
...日本民族の堅実な建設をねがうものは...
蜷川新 「天皇」
...どこまでも堅実な写実主義の苗床であった理由が理解される...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...堅実な奥床しさがあります...
野村胡堂 「江戸の火術」
...綾之助の人気は堅実なものだと思った...
長谷川時雨 「豊竹呂昇」
...私がそこですぐさま向う見ずに跳びこんでいった無分別な愚行の渦(うず)は、自分の過去の月日の泡(あわ)だけを除いてすべてを洗い去り、堅実な、または真面目な印象は一つ残らずさっさとのみこみ、以前の生涯(しょうがい)の全く浮薄なものだけしか記憶に残さなかったのだ...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...ともかくも二人の子供を立派に育て上げた堅実な寡婦...
堀辰雄 「菜穂子」
...警部はこれからどうなさいますか」堅実なのは夜の公演まで待つことだという...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...理智的で、堅実な筆致で、そしてぎごちなくない、相当落着き払つた清新味もある...
牧野信一 「会話一片」
...それがどの位私の堅実な健康を助けているのか知れません...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...右の様に堅実な経営的必要も...
三好十郎 「俳優への手紙」
...果物が堅実な核(さね)を蔵しているように...
森鴎外 「かのように」
...しかし今は反対に外から内へ還(かえ)って自分の堅実な立場を踏みしめながら...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
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