...しかし僕は不相変(あひかはらず)埃(ほこり)臭い空気の中に...
芥川龍之介 「本所両国」
...併し今朝になつたら土が乾いてもう埃が飛ぶ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...大分埃を吸つた古洋服の鈕を皆脱(はづ)して...
石川啄木 「漂泊」
...埃臭(ほこりくさ)い飛田(とびた)の土の中から...
薄田泣菫 「茶話」
...馬車が雲のような砂埃(すなぼこり)を立て燃殻(もえがら)のような臭いをさせながら丘を滑り下っている時...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...英国の埃及保護を既成事実として列国に承認せしめたりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...阿呆陀羅経のとなりには塵埃(ほこり)で灰色になった頭髪(かみのけ)をぼうぼう生(はや)した盲目の男が...
永井荷風 「深川の唄」
...埃(ほこり)が立つてしやうがないぜ...
新美南吉 「百姓の足、坊さんの足」
...土竈(へつゝひ)の埃(ほこり)を冠つた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まるで古風なラッパのように埃っぽく悲しくなる...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...机の上にも埃がたまっていてしばらくそこに倚らなかったことを示していた...
久生十蘭 「黒い手帳」
...何も出ない埃まで叩き出そうというんじゃない...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...埃だらけのカツフエのなかに...
堀辰雄 「聖家族」
...それからレムブラントの絵なんぞの入った額縁がいくつか裏を向けて埃まみれのまま壁に立てかけてあった小さな屋根裏部屋となのだ...
堀辰雄 「卜居」
...きらめく銃剣――埃まみれの靴...
百田宗治 「夕暮の別荘地に歩み入る兵士達」
...但馬の城崎(きのさき)温泉の近くではなはだ有名なる玄武洞(げんぶどう)の玄武岩は『笈埃(きゅうあい)随筆』巻二の石匠の条には...
柳田國男 「地名の研究」
...風日度塵埃...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...蠅(はえ)が胡麻(ごま)のように埃(ほこり)を追う...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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