...この埃は丁度己のやうに自信を持つてゐて...
アルチバシェッフ・ミハイル・ペトローヴィチ Artsybashev Mikhail Petrovich 森林太郎訳 「死」
...我国の通常の部屋を思出して見る――数限りない種々雑多の物品が、昼間は注意力を散漫にし、多くの品が夜は人の足をすくって転倒させ、而もこれ等のすべては、その埃を払い、奇麗にする為に誰かの時間を消費するのである...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...便所と塵埃焼場は...
石川欣一 「比島投降記」
...ガソリンの臭いや塵埃を浴びせられても平気になってるほど仙人にはなれない...
内田魯庵 「駆逐されんとする文人」
...あんな沙埃のたつ道でしょう...
田中貢太郎 「提灯」
...・ほつかり朝月のある風景がから梅雨夕闇の筍ぽき/\ぬいていつたよ旧作再録ぢつとたんぽぽのちるやつぱり一人がよろしい雑草どうにもならない矛盾が炎天線路まつすぐヤレコノドツコイシヨ焼跡なにか咲いてゐる方へ埃まみれで芽ぶいたか送電塔が青葉ふかくも澄んだ空やつと芽がでたこれこそ大根すずめおどるやたんぽぽちるや暮れてつかれてそらまめの花とな六月十九日ずゐぶん早く起きた...
種田山頭火 「行乞記」
...お勝手口の塵埃箱(ごみばこ)に魚の骨をうっちゃりに出たついで...
近松秋江 「うつり香」
...リボンも砂埃に汚れていた...
徳田秋声 「あらくれ」
...其處(そこ)には蕎麥(そば)の幹(から)から知(し)られぬ程(ほど)づつ立(た)つ埃(ほこり)が付(つ)いて濕(しめ)つて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...足もとの溝には水の上にも埃が浮いて居る...
長塚節 「菜の花」
...埃りも少々立つてゐるひよんな眼付で見上げても...
中原中也 「在りし日の歌」
...編集局備付(そなえつけ)の埃臭い番茶を呑んだり...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...起き上ると埃も払わず...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...一時(いっとき)も道路の埃(ほこり)には耐えられない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...桶は埃りをかぶり...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...他(ほか)の仏像は埃を一めんにかぶつて...
宮原晃一郎 「ラマ塔の秘密」
...古い埃で白くなった材木などが積まれてあった...
室生犀星 「幼年時代」
...「そこに埃がある...
山本周五郎 「季節のない街」
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