...男は確かに砂埃(すなほこ)りにまみれたぼろぼろの上衣(うわぎ)を着用している...
芥川龍之介 「馬の脚」
...一 埃僕の記憶の始まりは数え年の四つの時のことである...
芥川龍之介 「追憶」
...脚絆の埃(ほこり)を払(はた)いたり...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...潮引き波去るの後に(およ)んで之を覧(み)る塵埃(じんあい)瓦礫(がれき)紛として八方に散乱するのみ...
津田左右吉 「史論の流行」
...砂埃(すなぼこり)に色の変った駄菓子が少しばかり...
寺田寅彦 「嵐」
...埃にまみれてるだけで...
豊島与志雄 「霧の中」
...塵埃(じんあい)に帰せしめていた……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...炎熱と埃と汗の匂いが...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...釣瓶(つるべ)の底(そこ)には僅(わづか)に保(たも)たれた水(みづ)に埃(ほこり)が浸(ひた)されて沈(しづ)んで居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...あんな野郎に出つくはしたことはありませんよ」自慢の髷節(まげぶし)は横町の方に向いて埃(ほこり)をかぶり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...うすい埃(ほこ)りがたつと...
長谷川時雨 「西洋の唐茄子」
...埃が底に溜つてしまつたのである...
葉山嘉樹 「井戸の底に埃の溜つた話」
...此ヂオニソスの崇拜も埃及...
原勝郎 「鞦韆考」
...白い埃(ほこり)をかむったトタン屋根の四五軒の平屋が...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...そこから聖マルコ寺院までは、埃のない、日蔭の多い、もの靜かな通りを、三十分位で散歩して來られた...
堀辰雄 「Ombra di Venezia」
...紙箒(はたき)を持って兄の机の上の埃(ほこり)を払いながら...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...埃くさい長椅子に腰をおろすと...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...すこし埃っぽいのは我慢してね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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