...王道坦々と歸つてくると...
竹久夢二 「砂がき」
...坦々とつづいている...
太宰治 「猿ヶ島」
...前面にはゆるやかに蛇行した白い街道が坦々と続き...
田中英光 「箱根の山」
...一路坦々としてすべるやうに須坂へ向ふ...
種田山頭火 「旅日記」
...読者がこの抑揚のない坦々とした論調に僻易しない限り...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...陽気で、坦々として、而(しか)も己を売らないことをと、わが魂の願ふことであつた!木蔭神社の鳥居が光をうけて楡(にれ)の葉が小さく揺すれる夏の昼の青々した木蔭は私の後悔を宥(なだ)めてくれる暗い後悔 いつでも附纏ふ後悔馬鹿々々しい破笑にみちた私の過去はやがて涙つぽい晦暝(くわいめい)となりやがて根強い疲労となつたかくて今では朝から夜まで忍従することのほかに生活を持たない怨みもなく喪心したやうに空を見上げる私の眼(まなこ)――神社の鳥居が光をうけて楡の葉が小さく揺すれる夏の昼の青々した木蔭は私の後悔を宥めてくれる失せし希望暗き空へと消え行きぬわが若き日を燃えし希望は...
中原中也 「山羊の歌」
...坦々とした氣性で...
林芙美子 「あひびき」
...この親爺の坦々とした話を聞いてゐると...
林芙美子 「雨」
...父の好きな團子汁をつくつたりして坦々とした歳月をすごしてゐたのである...
林芙美子 「婚期」
...坦々とした交渉が出來てゐた...
林芙美子 「秋果」
...ひとり溌剌たる国民のあいだにのみ――この眇茫坦々として世界の半ばにまでまたがり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...白い歩道は坦々と続く...
北條民雄 「童貞記」
...決して坦々としてゐられるのではなかつたが...
牧野信一 「鏡地獄」
...君の文学は坦々として毫(ごう)も鬼面人を驚かすようなこと無く...
正宗白鳥 「弔辞(徳田秋声)」
...坦々とした波瀾のないもの...
柳宗悦 「民藝四十年」
...坦々として光り輝いた広場に群った彫像から噴き上る幾多の噴水の壮麗さ...
横光利一 「欧洲紀行」
...森と草原を含んだ六哩四方の空間が坦々としてどこまでも走るのだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...頂上の平地は坦々として無味か...
吉川英治 「折々の記」
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