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饗庭篁村 「木曾道中記」
...少し高い所からは何処(どこ)までも見渡される広い平坦な耕作地の上で二人は巣に帰り損(そこ)ねた二匹の蟻(あり)のようにきりきりと働いた...
有島武郎 「カインの末裔」
...予の家庭は寧ろ平和の坦道を通過して来たのであるが...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...且つ三本木より奧入瀬溪を經るの路は、最も平坦也...
大町桂月 「十和田湖」
...間もなく樹竹の絶えた小平坦に出た...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...石高路がなだらかになって平坦な場所へ来た...
田中貢太郎 「魔王物語」
...庭の平坦(へいたん)な部分のまん中にそれが旗ざおのように立っているのがどうも少し唐突なように思われたが...
寺田寅彦 「庭の追憶」
...ピラミッドをして平坦ならしめよ! これは自然そのものの声である...
序 豊島与志雄 「ジャン・クリストフ」
...時間の平坦(へいたん)な野の中央に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...平坦(へいたん)な濡(うるお)いのある土地...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この平坦地は、見たところは、砂礫の原であって、夏の間は雪が解ける...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...むしろ坦々たるもので...
牧野信一 「月評」
...白い平坦な街道だつた...
牧野信一 「センチメンタル・ドライヴ」
...〔一〕特に健康法として日常実行しつつある何等かありや否何にも別に関心事なく平素坦々たる心境で平々凡々的に歳月を送っています...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...慣れによって忽ちに平坦にされる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...坦々(たんたん)たる芝生(しばふ)の庭をかけるようなものだろう...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「御出馬で」「もとより」坦々(たんたん)の大道を望むような頷(うなず)きであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...高田*で汽車を降りて平坦な田畑の間を当麻寺(たいまでら)の方へと進んで行く間も...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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