...坦たる広庭の中央には...
石川啄木 「葬列」
...坦々たる古道の盡くるあたり...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...且つ三本木より奧入瀬溪を經るの路は、最も平坦也...
大町桂月 「十和田湖」
...此嶺(たふげ)うちこし四里山径(やまみち)隆崛(りうくつ)して数武(すぶ)も平坦(へいたん)の路を践(ふま)ず浅貝(あさかひ)といふ駅(えき)に宿(やど)り猶(なほ)○二居嶺(ふたゐたふげ)(二リ半)を越(こえ)て三俣(みつまた)といふ山駅(さんえき)に宿し...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...殆ど直線に近い大弓状の曲線を描いて十数里に亙る平坦な砂浜の間...
高村光太郎 「智恵子抄」
...石を甃(し)いた平坦な路は郊外にはあまりないので...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...關東の地面は平坦で地が廣い...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...みたところ平坦(へいたん)な...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...が、それさへも過去のなだらかな手つきによつてぼかされ、平坦になり、記憶の中にいくらか異様な突起を見せてゐるに過ぎなかつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...やがて平坦(へいたん)な道にさしかかると...
壺井栄 「二十四の瞳」
...三河地方の平坦な土地では...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...ここの主人は洋行した鍛冶屋(かじや)でもあるのか」「こりゃあ高島先生のお弟子か或いは江川坦庵(えがわたんあん)の門下であろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...天狗原の坦頂に到るや...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...きわめて平坦な土地であって...
中谷宇吉郎 「異魚」
...平次はそんな氣振りもなく至つて平坦(へいたん)な態度で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...已むことなくば坦率(たんそつ)とでも云はうか...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それをとりまく疎林と畑地のある平坦な敷地だけが...
山川方夫 「博士の目」
...坦々(たんたん)として易行道をこうして歩いていますのじゃ……ははは」八峰阿弥の顔に...
吉川英治 「親鸞」
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