...城址は見たり...
大町桂月 「石田堤」
...大手の址はあっても建物も何もないのに枡形の映るは不思議であった...
田中貢太郎 「首のない騎馬武者」
...紳士は最初に村の西の隅にある館の址に行つた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...大抵封建時代の城址をその公園にして...
田山録弥 「町」
...関の址(あと)に来た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...線路址(あと)の空地(あきち)が真直に闇をなした彼方のはずれには...
永井荷風 「寺じまの記」
...ここに前時代の遺址たる菊塢が廃園の如何を論じようという心にはなろう筈がない...
永井荷風 「百花園」
...もはや眼中に清洲の城址も無く...
中里介山 「大菩薩峠」
...これは、古城址としての、この臨湖の一廓に、昔の廓壕(くるわぼり)の名残(なご)りでもあるが、水の湾入して、蘆葦(ろい)の生いかぶさって、その間に、面白い形をした松が所々にうねっている、その間を、蘆分小舟(あしわけおぶね)の画面になって、米友が漕いで行くのは、おのずから一定の針路があるに相違ありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうしてその崩れた址(あと)から...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...お台場の址(あと)が涼むには一番好いと極めて...
森鴎外 「鶏」
...今も昔の城址が残ります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...今もその城址(じょうし)には立派な城門や櫓(やぐら)が残り...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...舊藩主の城址や邸館の跡がある...
吉川英治 「折々の記」
...水城(みずき)ノ址(あと)まで出て...
吉川英治 「私本太平記」
...古城址の多いこともまたこの地方の特徴である...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...武蔵にとって記憶のふかい蓮台野からそう遠くない――上京(かみぎょう)の実相院址(あと)の東南にあたる辻の角...
吉川英治 「宮本武蔵」
...一乗寺の址(あと)とやらで...
吉川英治 「宮本武蔵」
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