...さりとては乗せてたび給へ」と云ふ地謡の声のをさまると共に...
芥川龍之介 「金春会の「隅田川」」
...もろもろの役員――シテ・ワキ・ツレ・アヒ・囃子方・地謡――の演戯が完全な一つの調和を保つてこそ初めて「舞歌平頭の成就」は生ずるのであるから...
野上豊一郎 「演出」
...昔の能は統制の中にも或る程度の自由競争があつて、シテとワキと、シテと囃子方と、囃子方と地謡と、真剣に鎬を削つて、負けず劣らず張り合ひながらも、全体としての調和を皆考へてゐたといはれる...
野上豊一郎 「演出」
...『さしくる汐を汲み分けて見れば月こそ桶にあれ』と地謡は歌ふ...
野口米次郎 「能楽論」
...地謡は『松に吹き来る風も狂じて』と歌ふのであるが...
野口米次郎 「能楽論」
...地謡の『ふるは涙か降るは涙か桜花』の言葉につれて...
野口米次郎 「能楽論」
...名残かな』と地謡は歌ひ終つて...
野口米次郎 「能楽論」
...お帰り」と地謡(じうたい)の調子で宣(なの)りあげると...
久生十蘭 「西林図」
...だから仕手方(シテかた)を本位とする地謡(じうたい)...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...何やらの地謡の申合わせの時に...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...記憶に残っている地謡連中の...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...長刀(なぎなた)を持たせると大喜びでノサバリまわって危険この上もないので地謡が皆中腰で謡ったという...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...のみならず同氏が地謡に座って謡いながら翁の前で行燈袴(あんどんばかま)をまくって...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...地謡を謡ったりしているうちに...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...それを着けて舞うているシテの位取りを勘取って地謡が謡う...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...そうして囃方は一団となって地謡い(合唱隊)や主演者...
夢野久作 「能とは何か」
...ゴドンゴドンが地謡いに聞こえて...
夢野久作 「謡曲黒白談」
...地謡(じうた)を謡い出たのは老法師右馬介である...
吉川英治 「私本太平記」
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