...京都の地味に合わないのだろうと言うと...
青木正児 「九年母」
...地味に手引風に書いてあるのではなくて...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「若い僧侶の話」
...こつこつと至って地味に商売をしているのが中村屋である...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...商売は地味にやるべし家賃(一ヶ月)は一日の売上げ程度に止むべきだと思います...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...後輩たる者も亦(また)だらしが無く、すっかりおびえてしまって、作品はひたすらに、地味にまずしく、躍る自由の才能を片端から抑制して、なむ誠実なくては叶(かな)うまいと伏眼になって小さく片隅に坐り、先輩の顔色ばかりを伺って、おとなしい素直な、いい子という事になって、せっせとお手本の四君子やら、ほてい様やら、朝日に鶴、田子の浦の富士などを勉強いたし、まだまだ私は駄目ですと殊勝らしく言って溜息をついてみせて、もっぱら大過なからん事を期しているというような状態になったのです...
太宰治 「風の便り」
...今度の法事はもっと地味にすべきであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そのうちで地味に適応したものが栄えて花実を結ぶであろう...
寺田寅彦 「読書の今昔」
...地味に於て物資に於て寧ろ北来に優る南米が...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...日ごとに地味になって行く人のようにも見えた...
夏目漱石 「門」
...そこに坐っている人々も皆地味に見えた...
夏目漱石 「門」
...そのころ流行(はや)った、客同士の盃のやりとりもなく、地味に呑んで、地味に食う人ばかり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この娘をひどく地味に見せては居りますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼女は地味にひいてしまった...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...地味に終ってしまった...
林芙美子 「落合町山川記」
...この頃いったいに女のひとの身なりが地味になって来たということは...
宮本百合子 「新しい美をつくる心」
...総じて上品で地味に見えてその実上等品といったところが履き手の自慢...
山本笑月 「明治世相百話」
...正信の帰参以来、彼と家康とは、よく主従二人きりで、こうして地味に、話すことをただ楽しむ如く話していることがあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...しかしその変革は諸所の農村で地味に目立たず行われたのであって...
和辻哲郎 「鎖国」
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