...希臘(ギリシヤ)は地の利を得て勃興した...
石川三四郎 「土民生活」
...この日、我が稲門健児(とうもんけんじ)は不幸にも、北側の第一レインを割り当てられ、逆風と逆浪(げきろう)の最も激(はげ)しい難路を辿(たど)らねばならず、且(か)つ、長身に伍(ご)して、短躯(たんく)のクルウを連ね、天候さえ冷え勝ちで、天の利、地の利、人の利、すべて我々に幸いせず...
田中英光 「オリンポスの果実」
...颱風の害の最小なような地の利のある地域に定着しているのに...
寺田寅彦 「颱風雑俎」
...地の利と人の勢いの如何(いかん)を眼中に置かず...
中里介山 「大菩薩峠」
...天の時も地の利も我が方にあったのに拘らず...
藤野古白 藤井英男訳 「戦争」
...アメリカの諸地方のうち特殊な地の利またはそれ以上の改良上の有利な事情から...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...支那各地の利権と...
夢野久作 「暗黒公使」
...合戦長きにわたらんか、賊は、地の利を得て、奇襲縦横にふるまい、諸州の黄匪(こうひ)、連絡をとって、いっせいに後路を断ち、征途の味方は重囲のうちに殲滅(せんめつ)の厄(やく)にあわんもはかりがたい...
吉川英治 「三国志」
...甚だしく不利な地の利にいやでも置かれるように...
吉川英治 「三国志」
...沂水(ぎすい)の地の利あるゆえですが...
吉川英治 「三国志」
...穣山(じょうざん)(河北省)の地の利を占めん」と...
吉川英治 「三国志」
...ただ彼が戦わぬ前に稼(かせ)ぎ取っていた地の利は...
吉川英治 「私本太平記」
...まずいかなる作戦も、今日(こんにち)にいたっては、彼の強大を打破るわけにゆきません」「なぜか! なぜそのように尊氏を恐れるのか」「さきにも申しあげましたように、彼には時運が幸(さいわ)いしており、その人の和、地の利、天運のよさは、恐れずにおられませぬ」「地の利? 兵庫は味方にとってさほど不利か」「兵庫とはかぎらず、いずこにてもあれ、このさい、彼の大兵をふせぎ得る地はありますまい...
吉川英治 「私本太平記」
...蛮船(ばんせん)から買い入れようと競(きそ)っているが――この尾州(びしゅう)あたりはまだ地の利を得ておるものの――甲州(こうしゅう)...
吉川英治 「新書太閤記」
...一歩先んずれば、その戦備に構築に、地の利を占め、要意に欠くなき利をうるであろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...世に不満な人間どもが反骨を養うには恰好な地の利であった所にはちがいない...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...地の利において大変な相違がある...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...巌流は、最初の攻勢に、武蔵の一髪も斬ることはできなかったが、地の利は、思うように占め直したのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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