...勢い乙の地の利益を幾分か犠牲に供さなければならぬ...
大隈重信 「選挙人に与う」
...かの地がいかに地の利に富むかということを力説し...
寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
...だが地の利は得ている...
豊島与志雄 「ヒロシマの声」
...大阪は海灣に面して、淀川は舟楫の便あり、四通八達、物資の集散地として、屈強な地の利、水の利がある...
長岡半太郎 「大阪といふところ」
...「強い風じゃ、火をつけたらよく燃えるだろう」「でも、江戸を焼き払うほどの火にはなるまい」「それは地の利を計らなければ……先年、大楽(おおらく)源太郎と、地の利ではない、火の利を見て歩いたが、彼奴(きゃつ)、人の聞く前をも憚(はばか)らず、今夜はここから火を放(つ)けてやろうと、大声で噪(さわ)がれたのには弱った」「あれは、そそっかしい男だが、感心に詩吟が旨(うま)かった」「どうだ、ひとつ放(つ)けてみようか」「しかし、つまらん、江戸城の本丸まで届く火でなければ、放(つ)けても放け甲斐がごわせぬ、徒(いたず)らに町人泣かせの火は、放けても放け甲斐がないのみならず、有害無益の火じゃ」「有害無益の火――世に無害有益の放火(つけび)というのもあるまいが」「では、通りがかりの道草に、いたずらをしてみようか」「地の利と、風の方向を考え、且つ、なるべくは貧民の住居に遠く、富豪の軒を並べたところをえらんで……」「面白かろう」さても物騒千万ないたずらごと...
中里介山 「大菩薩峠」
...おのおの天険と地の利を説いて相譲らないらしいが...
中里介山 「大菩薩峠」
...地の利もよくない上に...
中里介山 「大菩薩峠」
...それは土地の利得を有たずに生れたと称し得る国であり...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...人口の増加が土地の利用を収約ならしめると同じく...
柳田國男 「地名の研究」
...合戦長きにわたらんか、賊は、地の利を得て、奇襲縦横にふるまい、諸州の黄匪(こうひ)、連絡をとって、いっせいに後路を断ち、征途の味方は重囲のうちに殲滅(せんめつ)の厄(やく)にあわんもはかりがたい...
吉川英治 「三国志」
...甚だしく不利な地の利にいやでも置かれるように...
吉川英治 「三国志」
...われにも地の利を取らねばなるまい」曹操もまた...
吉川英治 「三国志」
...地の利をとって陣列を展開し...
吉川英治 「三国志」
...なによりは船上山そのものが天与の地の利であったとおもう...
吉川英治 「私本太平記」
...まず地の利を賞(ほ)めた...
吉川英治 「新書太閤記」
...地の利をしめ、黒煙猛火を味方とし、あまっさえ数倍の兵力をもって、それを喚(わめ)きつつんでいた堀隊も、却って、少数の敵に、まったく一泡ふかせられた形となった...
吉川英治 「新書太閤記」
...巌流は、最初の攻勢に、武蔵の一髪も斬ることはできなかったが、地の利は、思うように占め直したのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...最近にマニラから日本に進出して最も地の利を得ているスペイン人の貿易などと競争するのは容易でなかった...
和辻哲郎 「鎖国」
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