...在りし日の面影は認められるであろう...
モオパッサン 秋田滋訳 「墓」
...在りし日の中尉を偲(しの)んで涙滂沱(ぼうだ)たる有様は...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...在りし日のあの豪奢(ごうしゃ)さ...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...在りし日の先生とは似てもつかぬ姿だと思はぬためしはない...
辰野隆 「浜尾新先生」
...それにしても今日の大阪は検校が在りし日の俤(おもかげ)をとどめぬまでに変ってしまったがこの二つの墓石のみは今も浅からぬ師弟の契(ちぎ)りを語り合っているように見える...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...かくて佐助は晩年に及び嗣子(しし)も妻妾(さいしょう)もなく門弟達に看護されつつ明治四十年十月十四日光誉春琴恵照禅定尼の祥月命日(しょうつきめいにち)に八十三歳と云う高齢(こうれい)で死んだ察する所二十一年も孤独で生きていた間に在りし日の春琴とは全く違った春琴を作り上げいよいよ鮮(あざや)かにその姿を見ていたであろう佐助が自ら眼を突いた話を天竜寺(てんりゅうじ)の峩山和尚(がさんおしょう)が聞いて...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...今更のように在りし日の母の俤(おもかげ)を偲(しの)び...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...在りし日のお園と変りません...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...在りし日のヴェルネクラブの方を見るのである...
古川緑波 「神戸」
...きのふからギイ・ド・プウルタレスの「伊太利に在りし日のニイチェ」といふ本を讀み出してゐる...
堀辰雄 「Ombra di Venezia」
...死後もなお彼女が在りし日の姿のまま...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...この異郷の文豪の在りし日の生活をぽつ/\と語つた...
正宗白鳥 「心の故郷」
...神がこの世に在りし日の名は玉めがといい...
柳田国男 「海上の道」
...友人たちはみな在りし日のことのみ...
吉川英治 「折々の記」
...在りし日の静山と少しも変りはない...
吉川英治 「剣の四君子」
...丹羽五郎左衛門の在りし日の事どもを...
吉川英治 「新書太閤記」
...亡き良人内匠頭(たくみのかみ)との在りし日の頃の楽しかった追憶に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...在りし日のことが夢にも通ってくる...
吉川英治 「平の将門」
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