...やにはに四方八方から搦(から)めとらうと競ひ立つた...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...――こんな取りとめのない考えが、暗(やみ)の中に鳴いている藪蚊(やぶか)のように、四方八方から、意地悪く心を刺して来る...
芥川龍之介 「偸盗」
...日本中の何千何万という人が、みんな母さまを、つかまえようとして、四方八方から、目をギョロギョロさせているんだもの」「可哀相ね...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...その見上げるような樅が四方八方から白い毛だらけの猿臂を私めがけて伸ばしていると...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...名はなんといふの と四方八方から質問の矢をはなつ...
中勘助 「銀の匙」
...四方八方から受けの宜い萬兵衞が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...四方八方からシューバルに関する不平が彼に流れてきている...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...風は四方八方から...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...四方八方から馬のやうな...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...四方八方から異形(いぎょう)のものに取り囲まれているよりか...
堀辰雄 「旅の絵」
...四方八方から人が集まってきた...
R. マッケナ R. McKenna The Creative CAT 訳 「愛と月の犬」
...」と云いながら、四方八方から、飛びかかりましたが、何分とのさまがえるは三十がえる力(りき)あるのですし、くさりかたびらは着ていますし、それにあまがえるはみんな舶来ウェスキーでひょろひょろしてますから、片っぱしからストンストンと投げつけられました...
宮沢賢治 「カイロ団長」
...革命化しつつあるとはいえ婦人大衆は企業内にあるとないとにかかわらず四方八方から反動文化にからみつかれる危険にさらされているのだ...
宮本百合子 「国際無産婦人デーに際して」
...彼にその学びえたことを四方八方から観察させ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...人間の判断はそれによって四方八方から抑制されるのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...まっこうからそれにうってかかるか、さもなければその意味がわからないような顔をしてひとまず退却しておき、あとで、おもむろに、四方八方から、それがどういう経路でその人の心の中に入り込んだのかを、さぐり出してやらねばならない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...みんなは、四方八方から、ニールスめがけて駆(か)けよりました...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...その光りが淀(よど)ませている薄赤い暗がりの四方八方から...
夢野久作 「白菊」
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