...絶えまなく四方八方から攻めたてる恐ろしい女の舌には対抗できない...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...――こんな取りとめのない考えが、暗(やみ)の中に鳴いている藪蚊(やぶか)のように、四方八方から、意地悪く心を刺して来る...
芥川龍之介 「偸盗」
...四方八方から群(むらが)って来る...
芥川龍之介 「葱」
...大勢の水夫は二人のまわりへ四方八方から集まって来る...
芥川龍之介 「誘惑」
...四方八方からロンドンの低いうなるような音が聞こえてはくるが...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...私達は世間の人達と官憲と四方八方から睥まれて非國民扱ひをされてゐたものだつた...
竹久夢二 「砂がき」
...その見上げるような樅が四方八方から白い毛だらけの猿臂を私めがけて伸ばしていると...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...四方八方から受けのいい万兵衛が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...口の中で四方八方から唾が舌の上へ寄ってくるようにうまいのです...
林芙美子 「クララ」
...四方八方から口々に絶え間もなくしゃべり立てていたが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...四方八方から押されるので汗を拭くことも頸をまわすことも出来ない...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...四方八方から異口同音にこたえる...
久生十蘭 「キャラコさん」
...彼が邸内へ馬車を乗り入れると同時に、四方八方から、茶、黒、鼠、斑(ぶち)等の種々雑多な毛色の犬の群れが駈け寄つた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...四方八方から接吻の雨が彼女のうへに降りそそがれた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...蚊なんどは四方八方から全軍をこぞつて刺しに来る...
正岡子規 「墨汁一滴」
...」と云いながら、四方八方から、飛びかかりましたが、何分とのさまがえるは三十がえる力(りき)あるのですし、くさりかたびらは着ていますし、それにあまがえるはみんな舶来ウェスキーでひょろひょろしてますから、片っぱしからストンストンと投げつけられました...
宮沢賢治 「カイロ団長」
...こうして四方八方からやいやいとつついたのがかえっていけなかったらしい...
柳田国男 「故郷七十年」
...四方八方から取り巻く試験管...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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