...彼女の声が四散して聞こえなくなった...
...爆発音が聞こえ、瓦礫が四散した...
...集めたパズルが予想外の衝撃で四散してしまった...
...気持ちが四散するほど衝撃的なニュースだった...
...嵐が過ぎ去り、雲が四散してくれた...
...下駄をガラガラいわせて四散した...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...味方はたちまち蜘蛛の子を散らすように四散して...
海野十三 「蠅男」
...延元三年、親房は宗良親王を奉じて東下せしに、颶風(つむじかぜ)に遭ひて、一行の船四散し、親房は常陸に漂着し、ひと先づ小田城に入る...
大町桂月 「秋の筑波山」
...曾て房州に放浪して、菱花灣畔に、さゝやかなる家を借り、あびきする濱邊に出でて、溌剌たる鮮魚買ひ來りては、自から割き、自から煮て、いと心安き生活を送り、時には伴れだちて、城山の古城址に興亡の跡を訪ひ、延命寺の古墳に里見氏の昔を弔ひ、富山を攀ぢ、清澄山に上り、誕生寺を訪ひ、洲崎辨天にまうで、行き暮れて白須賀灣頭の月に臥し、夜ふけて鋸山上の古寺に白雲と伴ひて眠るなど、形體を波光山影の間に忘れて、虚心江上の白鴎に伴ひし當年の遊蹤、猶ほ昨日の如きに、同じく遊びしもの、今四散す...
大町桂月 「房州紀行」
...漱石氏が熊本を去って後に紫溟吟社の人々も四散してしまってまた昔時の面影を見ることが出来ないようになったが...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...統率者の死後これらが四散しけんかを始めたのはやはり個性のはなはだしい相違から来るのである...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...子分衆もすつかり四散して了ひ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何千年か昔のことでもあり、また、昨日、いや、毎日の出来事でもある天文と、観測と、碩学(せきがく)大家どもと、彼らの白髪(しらが)と白髯(しらひげ)は、豪雨と、暴風の、鳥獣の苦悶(くもん)と、人民の失望と、日光の動揺と植物の戦慄(せんりつ)と、鉱石の平伏といっしょに、宇宙へ四散した...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...何かの手ちがひから急にその家が潰れて四散してしまつた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...妓女四散遊戯して側にあらず...
南方熊楠 「十二支考」
...一同バラバラと四散する...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...「四散した旧主の城へ移り住むのも心苦しいが……」と...
吉川英治 「黒田如水」
...黄巾賊の乱入にあって、県城は焼かれ、ご領主は殺され、家来は四散し、ここらの寺院さえ、あの通りに成り果てたが、その乱軍の中から迷うてござったお嬢さまを、実はわしが、ここの塔へそっと匿(かくも)うて――」と、老僧の眼がふと、古塔の頂(いただき)を見上げた時、疎林を渡る秋風の外に、にわかに、人の跫音や馬のいななきが聞えだした...
吉川英治 「三国志」
...寄手の敵は四散するか...
吉川英治 「三国志」
...見限(みき)りをつけて四散してしまうのである...
吉川英治 「三国志」
...四散したお味方も馳せ加わりましょうし……」という献策をすすめた...
吉川英治 「新書太閤記」
...全く四散し尽して...
吉川英治 「平の将門」
...暴風のために四散して我々のみがここに着いた...
和辻哲郎 「鎖国」
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