...せめてはこの研究の完成によって慰められたいと思っています...
大杉栄 「獄中消息」
...せめて自分自身に向って語って聞かせる必要がある...
谷崎潤一郎 「鍵」
...せめてもう少し自由に筆動きましたら...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...それがせめてものよろこびである...
種田山頭火 「其中日記」
...せめて電話で温泉旅館組合の中の心當りを聞いてやる位の便宜をはかつてやつてはどうか...
寺田寅彦 「伊香保」
...せめて半夜交代にでもしようと俺が言っても...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...せめてこんなものでも見せつけたら...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしせめてこの仮定から出立して...
夏目漱石 「思い出す事など」
...せめて不完全ながら十の一でもあらわそうとすると...
夏目漱石 「創作家の態度」
...せめて邪道でも何んでも...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...せめて私でも生きてゐるうちなら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...せめてこれだけでも持ってゆけといってその金簪を棺の中に入れ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それではせめて息のあるうちに...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...許されん願ひなりせば君が死をせめて未来に置きて恐れんこの歌の値打ちは最後の「恐れん」の一句にある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...せめての慰めは、暴力がなさそうだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...見送ってくれるような愛人を持たない人は、せめて告知板に、○嬢よ! 十時まで待ったが君の姿が見えぬ...
百瀬慎太郎 「案内人風景」
...せめて屋敷うちの一隅にいて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...せめて碁将棋でも覚えておけばよかった」良左衛門は思い余ったという風にしばしばそう呟いた...
山本周五郎 「初蕾」
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