...せめて今日ばかりは「蠅男」事件や探偵業のことは忘れて暮らしたい――と一応は自分の心に云いきかせたけれど...
海野十三 「蠅男」
...せめて怪軽気球を追跡して...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...せめて、(また逢う日まで)との祈りの含まれた日本語が別離の言葉になって欲しい...
田中英光 「さようなら」
...こちらから逆にせめのぼって一とかっせんした方がよいと...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...岐阜のおしろにせめよせたのでござります...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...――せめて、余生をなごやかに送りたいと思ふ...
種田山頭火 「其中日記」
...五せめて半日をそこで過さうとしてやつて来た私は...
田山録弥 「あさぢ沼」
...せめて一生に一度でも...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...せめて子供だけなりと...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...せめて三平の戸籍だけでもそっちへ移してくれ...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...あれほど死ぬときは一緒だといったのに」と責(せめ)るように言って...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...せめて思い知らしてやりたい...
久生十蘭 「鈴木主水」
...」「せめて二手ぐらいは先きにやらせ給え...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...せめて知合ひの茶屋の行衛(ゆくゑ)を往来の人を捉へて訊ねて見ると空しく言下に首を振られる...
牧野信一 「鱗雲」
...門内右側の東京著名講談師たちに拠つて寄進された河内山宗俊の碑とその墓石が全きを得たことはせめてもの倖としなければなるまい...
正岡容 「下谷練塀小路」
...せめて、キチンとお送りいたしましょうね、来月でしょう?こちらの暮しかたのこと...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...遁るべきやうなければせん方(かた)無くせめては斯(か)くもせば助からんかと...
柳田国男 「山の人生」
...せめて試合(しあい)に勝とうというんだろう」大口(おおぐち)をあいて笑(わら)いながらいった...
吉川英治 「神州天馬侠」
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