...それほど私は賑(にぎやか)な下座(げざ)の囃(はや)しと桜の釣枝(つりえだ)との世界にいながら...
芥川龍之介 「開化の良人」
...五人囃(ばや)し...
芥川龍之介 「雛」
...てつきりあれは「狸囃(たぬきばや)し」に違ひないと思つたことを覚えてゐる...
芥川龍之介 「本所両国」
...間伸びのした悠長(ゆうちょう)な囃(はや)しと一つに融けて聞えて来る中で...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...囃(はやし)の楽器の音が耳の痛くなるほど騒がしかった...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...夜な夜なしきりに怪しい神楽太鼓の響きがする――賑やかな囃子(はやし)を追うて行って見ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...外(そと)では再(ふたゝ)び囃(はや)し立(た)てゝ騷(さわ)いだ...
長塚節 「土」
...綺麗な少年や少女が唄ったり踊ったりするのを囃し立てていた...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...狸囃子の曲者を擧げさせた指金は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...下座(げざ)の囃子はお伝さんに任せて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...水の上の使用は、今も昔も、やかましく取締られたのですが、でも、川面(かはも)を通る船に支障がなければ、大概(たいがい)のことは大眼に見られ、佐渡屋の裏の水面に乘出した危ない櫓(やぐら)もこの夜の興を添へる、一つの企畫(きくわく)として、面白がられ、囃(はや)され、羨(うらや)ましがられて居たのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...馬鹿囃子(ばやし)か何んかで」八五郎は意味もわからず面白さうです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三角畠の蕎麦(そば)あたれなどという囃(はや)し詞(ことば)が似ており...
柳田国男 「年中行事覚書」
...わっと囃したてるのであった...
山本周五郎 「青べか物語」
...「わあい」と子供たちが囃(はや)したてる...
山本周五郎 「青べか物語」
...囃子方中の名誉の人々であったことは説明する迄もない...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...囃子方、狂言方は勿論の事、他流……主として観世流の人々までも翁の風格に感化されて、真剣の努力を以て能楽にいそしんだ形跡がある...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...古井戸で犬死した鎌田新介などは悪しざまに謳(うた)い囃(はや)された...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索