...噫(ああ)、然だ、然だつけ、と思ふと、此過去の幻の如き巨人が、怎(どう)やら揺ぎ出す様に見えた...
石川啄木 「葬列」
...噫、噫、この『お夏』といふ名も亦、決して初對面の名ではなかつた...
石川啄木 「葬列」
...噫(ああ)非常の人...
石原純 「平賀源内」
...何か、聞きゃ、河野の方で、妙の身体(からだ)に探捜(さぐり)を入れるのが、不都合だとか、不意気(ぶいき)だとか言うそうだが、」噫(ああ)、礼之進が皆饒舌(しゃべ)った……「意気も不意気も土百姓の知った事かい...
泉鏡花 「婦系図」
...求めてやまず……噫(あゝ)...
トゥルゲニエフ Ivan Tourguenieff 上田敏訳 「あすは、明日は、」
...わが心根を悟りてしかの女(ひと)の眼に胸のうち、噫(ああ)、彼女(かのひと)にのみ内証(ないしよう)の秘めたる事ぞなかりける...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...噫(あゝ)、われら、正(まさ)しくも受く可(べ)き福(さいはひ)を取らずして、空(むな)しく唯(たゞ)に過ぐべきか、またと無き夜をあだにして...
ポオル・クロオデル Paul Claudel 上田敏訳 「カンタタ」
...噫、七千人...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「法王の祈祷」
...憐(あはれ)み給へ、誘惑せらるる處女(しよぢよ)の目付(めつき)を、(噫、乳の流は闇に逃げ入る、白鳥(はくてう)は蛇(へび)の群(むれ)のなかに死したり...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...噫(あゝ)たそがれ刻(どき)の霧(きり)...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...噫(あゝ)、涙、噫(あゝ)、情深(なさけぶか)き心、噫(あゝ)、涙はふり落つるこの顏容(かんばせ)かな...
ポオル・クロオデル Paul Claudel 上田敏訳 「頌歌」
...ついこの間も一緒に呑気(のんき)な旅をしながら噫(おくび)にも出さずにいたことを...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...無論塚本に対しても噫(おくび)にも出しはしなかつた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...五十五才にして五十五年の非を知る、噫、生々死々去々来々転々また転々...
種田山頭火 「旅日記」
...動くたびに腥い噫(おくび)は常に鼻を貫(つら)ぬいた...
夏目漱石 「思い出す事など」
...金の事は噫(おくび)にも出さないので...
夏目漱石 「明暗」
...ああ、ああ、この眼! この顔! おぼえず髪をおさえながら、噫(ああ)、だめだ、だめだ、と自分に向って叫んだときの心持...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...噫、私は何故(なぜ)青い眼に生れたろう...
夢野久作 「白髪小僧」
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