...突然噛みつくやうな勢ひになつて...
芥川龍之介 「地獄変」
...噛みつくように喚きながら...
芥川龍之介 「邪宗門」
...窓外から噛みつくようなガタンゴーゴーと喧(やかま)しい騒音が入って来て気味がよろしくない...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...これを放すと直ぐ人の首筋に噛みつくの...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...そして顔を見ると直ぐに噛みつくやうに言つた...
薄田泣菫 「茶話」
...突然わんといって噛みつくとはなんという無礼...
太宰治 「畜犬談」
...庄吉が、身体をぶっつけて、獅噛みつくのを、振切ろうと、月丸が、身体を、振ったはずみに、深雪は、月丸の腹に突き立っている脇差から手を放して、立ちすくんでしまった...
直木三十五 「南国太平記」
...縮んでは鼬(いたち)のように噛みつく植物...
中島敦 「光と風と夢」
...お秋さんの側に寢て居た白犬が其子の足もとへ突然噛みつく樣に見えた...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...外から戻つて來て、金がなくなつて居るとわかると、女房のお百と掴(つか)み合ひの大喧嘩だ、ウヌが盜つたに違ひない、なにを此野郎と、打つ引つ掻く、蹴飛(けと)ばす、噛みつく騷ぎ、――尤もケチ兵衞の留守に、女房のお百が町内の湯へ行つたのが惡かつた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あるとき私は三歳の子を一匹捕えて、手なずけようとしましたが、相手は、恐ろしい勢いで、喚いたり、引っ掻いたり、噛みつくので、とう/\放してやりました...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...鱶が噛みつくといっぺんに伸び...
久生十蘭 「ノア」
...といふより百枚以上書いては削りました! 何といふ無残な仕事! 何たる倦怠! 嗚呼! 芸術! 芸術! 狂犬の如く我々の心に噛みつくこの幻想とは果して何ものでせう...
北條民雄 「頃日雑記」
...あの下座へ噛みつくように怒鳴った染丸の態度は悪いと思うな」そう言う松鶴はもう一度さもおかしくてたまらないというように笑い出しながら...
正岡容 「寄席行燈」
...いきなり噛みつく様な声を出して云った...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...あの噛みつくような荒々しい吠え声は心配するに及ばない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...」オルガはいきなりまたハンカチを銜えて甲谷の肩に噛みつくようにつかまった...
横光利一 「上海」
...悲鳴を上げて、犬は腹を見せて仆れた、しかし、屈しないのだ、すぐにまた、噛みつくように、山伏の後を追う...
吉川英治 「親鸞」
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