...嘉吉の立居ふるまひにどう云ふものか活気がなくなつてゐた...
林芙美子 「朝夕」
...――根からの小商人で、此様な店を出したのも、誰からも助けを受けたわけではなく、云へば、自分一人で造つた身代故、品物が手薄になつた処で誰もとがめる者はなかつたが、それだけに、嘉吉もなか子も、何となく、行末の短じかさを感じるのであつた...
林芙美子 「朝夕」
...嘉吉は褞袍を蹴るやうにして起きあがると...
林芙美子 「朝夕」
...そんなものまで嘉吉が金に替へてゐるとは思はなかつた...
林芙美子 「朝夕」
...嘉吉となか子はそれから当てもなく新宿の方へ出て行つた...
林芙美子 「朝夕」
...嘉吉が不図なか子の方を振りかへると...
林芙美子 「朝夕」
...――嘉吉があんな店は何だと...
林芙美子 「朝夕」
...嘉吉もその亡妻の骨のことを...
林芙美子 「朝夕」
...それにしても四五日は俺もあつちこつち歩いてみなけりやならないだらうし‥‥、ま、躯を大事に‥‥」さう云つて、嘉吉が、砂利の上に降ろしてゐたトランクを持ちあげると、なか子も二三歩それに寄り添つて歩きながら、「さつき、分けて貰つたけど、これ持つてらつしやいよ」と、ハンドバツグの中から、ありたけの銀貨をつまんで嘉吉の手へ周章てゝ握ぎらせるのであつた...
林芙美子 「朝夕」
...その机のそばには嘉吉のトランクがきちんと寄せてあつた...
林芙美子 「朝夕」
...此の方は嘉吉と同じ工場に出ての丸田さんちふ人ぢやがな...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...」と老母は折節嘉吉の前で其の兄なる男の力量の程をほめたてるのが癖だつた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...」と嘉吉は不興げに云つてガツ/\飯を喰つた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...」と嘉吉は読み終つて頻(しき)りに感心した...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...」と老母は嘉吉に云つた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...食後の煙草を二三ぷく吸ひながら嘉吉の顔はだん/\気むづかしくなつて行つた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...軈(やが)て嘉吉は立ち上つて例の本を懐(ふところ)にねぢ込んで...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...嘉吉(かきつ)の土一揆...
和辻哲郎 「埋もれた日本」
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