...女は健啖(けんたん)な彼を眺めながら子供のように微笑していた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...「啖(たん)がつまる音じゃ...
芥川龍之介 「偸盗」
...女の啖呵(たんか)が鋭く裂かれた...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...此(こ)の御振舞(おふるまひ)を一口(ひとくち)啖(くら)つては堪(た)まらない...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...一文も引けないと啖呵(たんか)を切るんだ」「そいつはどうも」「云うのが厭なら...
海野十三 「疑問の金塊」
...語(ことば)を寄す、世上の健啖家、頓智さへよかつたら、諸君は六人分の飯を食つたつて少しの差支もない...
薄田泣菫 「茶話」
...火食を知らぬ生肉を啖(くら)い自然のままの木の実の味しか知らぬこの少年には...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...そのお流れをみんな健啖(けんたん)な道化師の玉が頂戴(ちょうだい)するのであった...
寺田寅彦 「備忘録」
...Honte(オント)!honte(オント)!眼玉の蜻蛉(とんぼ)わが身を攫(さら)へわが身を啖(くら)へHonte(オント)!honte(オント)!燃えたつ焜爐(こんろ)わが身を 焦がせわが身を 鎔かせHonte(オント)!honte(オント)!干割(ひわ)れた咽喉(のんど)わが身を 涸らせわが身を 曝らせHonte(オント)!honte(オント)!おまへは泥だ...
富永太郎 「恥の歌」
...今日までに命を取られた奴が……」ここで道庵十八番の啖呵(たんか)を切り出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分は今までに九人の僧侶(そうりょ)を啖(く)った罰で...
中島敦 「悟浄出世」
...寒い谷間の麺麭((パン))でも啖へ!飢餓とはかい...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...思いっ切り啖呵(たんか)を切ったぜ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彦兵衞の啖呵(たんか)は虹を掛けます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...巌のような巨大な体躯をもった人啖いのセネガル黒人兵が...
久生十蘭 「海難記」
...○新橋停車場の結核菌 東京府技師遠山某が過日密かに新橋停車場に至り構内に吐散しある啖を集め検鏡せしに多数の肺結核菌を発見せりといえり...
村井弦斎 「食道楽」
...ひどく啖呵(たんか)の切れる――そして酒がいわせるのか...
吉川英治 「大岡越前」
...私の背中に啖ひついてゐるやうな氣がしてならない...
若杉鳥子 「烈日」
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