...妖怪の方から勝手に啖(く)いついたまでで...
田中貢太郎 「轆轤首」
...そういう健啖(けんたん)な食欲にとっては...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...今日までに命を取られた奴が……」ここで道庵十八番の啖呵(たんか)を切り出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...寒い谷間の麺麭((パン))でも啖へ!飢餓とはかい...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...臭い息なんか掛けると罰(ばち)が当るよ」桃色の啖呵(たんか)が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...暮の商売じゃあるめえし」八五郎が好い心持に啖呵(たんか)を切っている時でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...犬がつるんだんじゃねえやい」「其処で啖呵(たんか)を切ったって物笑いになるだけよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...啖(たん)がのどで鳴った...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
...もう啖(くら)うべき赤ん坊がなくなったじゃないか...
葉山嘉樹 「牢獄の半日」
...思いあがったに似た啖呵(たんか)であった...
火野葦平 「花と龍」
...春は梅花が落ちて来る度毎に忽ち水面に浮びでて来てパクリ大きな口を開いてはその花片をば啖べた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...虎答うらくわれ貯え置いた肉を啖って事が済んだからだ...
南方熊楠 「十二支考」
...蛇に執(とら)われ啖(く)わるるまで一向蛇を恐れぬ動物も...
南方熊楠 「十二支考」
...右に言った通り蛙をば後脚から啖い初むる故一概に言う事もならぬ...
南方熊楠 「十二支考」
...肺病患者の泊った室へ寝てさえ伝染の虞(おそ)れがあるというのに狭い室内で肺病患者の吐き出した空気を呼吸してその上に啖の中の細菌を舞上げられてはこれほど危険な事はありますまい...
村井弦斎 「食道楽」
...○新橋停車場の結核菌 東京府技師遠山某が過日密かに新橋停車場に至り構内に吐散しある啖を集め検鏡せしに多数の肺結核菌を発見せりといえり...
村井弦斎 「食道楽」
...貴方の云う事は……ボ……僕と……そ……そのテル子嬢とは……マ……全く無関係……」「ナニ卑怯なッ……」吾輩は思わず犬を放り出して羽振学士の横面(よこつら)を力一パイ啖(く)らわせた...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...わが家(いへ)は飢ゑと死に隣(となり)し、寒さと、※(ねつ)と、咳(せき)と、※(ねつ)の香(か)と、汗と、吸入(きふにふ)の蒸気と、呻吟(しんぎん)と、叫びと、悶絶(もんぜつ)と、啖(たん)と、薬と、涙とに満(み)てり...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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