...然(しか)し彼(かれ)は重量(ぢうりやう)ある唐鍬(たうぐは)を振(ふ)り翳(かざ)して一鍬(くは)毎(ごと)にぶつりと土(つち)をとつては後(うしろ)へそつと投(な)げつゝ進(すゝ)む...
長塚節 「土」
...唐鍬(たうぐは)の廣(ひろ)い刄先(はさき)が木(き)の根(ね)に切(き)り込(こ)む時(とき)には彼(かれ)の身體(からだ)も一(ひと)つにぐざりと其(そ)の根(ね)を切(き)つて透(とほ)るかと思(おも)ふやうである...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)は雨(あめ)でも降(ふ)らねば毎日(まいにち)必(かなら)ず唐鍬(たうぐは)を擔(かつ)いで出(で)た...
長塚節 「土」
...鐵(てつ)の楔(くさび)で柄(え)の先(さき)を締(し)めた其(そ)の唐鍬(たうぐは)の四角(かく)な穴(あな)の處(ところ)が俄(にはか)に緩(ゆる)んだ...
長塚節 「土」
...柄(え)のない唐鍬(たうぐは)を持(も)つて行(い)つた...
長塚節 「土」
...鐵(てつ)の臭(にほひ)のする唐鍬(たうぐは)を提(さ)げて勘次(かんじ)は復(また)土手(どて)を走(はし)つた...
長塚節 「土」
...目方(めかた)もしつかり掛(かゝ)んべな」「一貫目(いつくわんめ)もねえがな」勘次(かんじ)は自慢(じまん)らしく婆(ばあ)さんへ唐鍬(たうぐは)を持(も)たせた...
長塚節 「土」
...此(こ)の事(こと)があつてからも勘次(かんじ)の姿(すがた)は直(すぐ)に唐鍬(たうぐは)持(も)つて林(はやし)の中(なか)に見出(みいだ)された...
長塚節 「土」
...近頃(ちかごろ)唐鍬(たうぐは)使(つけ)え骨(ほね)折(おれ)つからつて仕事(しごと)畢(しま)つちや一合(がふ)位(ぐれえ)引(ひ)つ掛(か)けて直(す)ぐ行(い)つちやあんだつちけが...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は毎日(まいにち)唐鍬(たうぐは)を持(も)つて出(で)て居(ゐ)るのであつたが此(こ)の日(ひ)はおつぎを連(つ)れて麥畑(むぎばたけ)の冬墾(ふゆばり)に出(で)るのであつた...
長塚節 「土」
...さうすると勘次(かんじ)は擔(かつ)いだ唐鍬(たうぐは)をどさりと置(お)いたり...
長塚節 「土」
...今(いま)では其(そ)の勢(いきほ)ひづいた唐鍬(たうぐは)の一打(うち)は一打(うち)と自分(じぶん)の蓄(たくは)へを積(つ)んで行(ゆ)く理由(わけ)なので...
長塚節 「土」
...俺(お)らがな唐鍬(たうぐは)の柄(え)さすつかりくつゝいちやつたんだから...
長塚節 「土」
...唐鍬(たうぐは)で切(き)り起(おこ)した土(つち)の塊(かたまり)を萬能(まんのう)の背(せ)で叩(たゝ)いては解(ほぐ)して平坦(たひら)にならさせつゝあつたのである...
長塚節 「土」
...加之(それのみでなく)彼(かれ)は自分(じぶん)の耳朶(みゝたぶら)に鳴(な)るさへ心(こゝろ)づかぬ程(ほど)懸命(けんめい)に唐鍬(たうぐは)を打(う)つた...
長塚節 「土」
...彼(かれ)の手(て)に完全(くわんぜん)に保(たも)たれたものは彼(かれ)が自分(じぶん)の手(て)を恃(たの)んで居(ゐ)る唐鍬(たうぐは)のみである...
長塚節 「土」
...杉の林へ下りると根ごじにした小さな杉の木と唐鍬とを側に置いて二人の老人が焚火をして居る...
長塚節 「彌彦山」
...どこの家(うち)にも山刀(なた)も三本鍬(さんぼんぐわ)も唐鍬(とうぐわ)も一つもありませんでした...
宮沢賢治 「狼森と笊森、盗森」
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