...鬱勃たる不平――表面化することの不可能なその哀れむべき暗い不満の感情が...
犬田卯 「瘤」
...「それを僕にことづけろとあの人が言ったんだな!」「そう」女は哀れむような目付で私を見おろした...
梅崎春生 「風宴」
...杉浦氏に連れ添つてゐる自分の妹を哀れむやうな眼つきをした...
薄田泣菫 「茶話」
...哀れむべきハリーは非常な滿足を覺えた...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...そして同病相哀れむ心から私は急いでそこを通り過ぎねばならなかった...
寺田寅彦 「写生紀行」
...ここで別れる彼を哀れむように自身もいつか自身の言葉に感傷を誘われたふうで話しつづけた...
徳田秋声 「仮装人物」
...闇雲(やみくも)に先きを急ぐやうな若い時の焦躁(せうそう)が、古いバネのやうに弛(ゆる)んで、感じが稀薄になるからでもあるが、一つは生命の連続である子供達の生長を悦(よろこ)ぶ心と、哀れむ心が、自分の憂ひを容赦してくれてゐるのであつた...
徳田秋声 「風呂桶」
...娘を苦界に沈めたことを哀れむと共に...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...隆吉は同病相哀れむで...
林芙美子 「崩浪亭主人」
...自分の運命を哀れむのであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...哀れむべきではないか...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...哀れむべき存在とし残酷に扱われた人間としていることを作者が見のがしていないことである...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」
...それこそ実に哀れむべき父です...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...人間というこの哀れむべき被造物が何かしらあの理解を越えた威力のようなものをその身に備えていると考えたのか? また我々のたよりない理解力にして...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...こんなにも危険な道具になる!(b)哀れむべきものよ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...哀れむべきすべての失敗はこの顛倒から来るのである...
柳宗悦 「工藝の道」
...寧(むし)ろ哀れむようなまなざしで...
山本周五郎 「百足ちがい」
...はや彼の増長慢のあらわれと哀れむべきではありませんか」「先生...
吉川英治 「三国志」
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