...半ば戸袋へするりと開けると、雪ならぬ夜の白砂、広庭一面、薄雲の影を宿して、屋根を越した月の影が、廂(ひさし)をこぼれて、竹垣に葉かげ大きく、咲きかけるか、今、開くと、朝(あした)の色は何々ぞ...
泉鏡花 「悪獣篇」
...兎に角この……桜の咲きかける時分が一番眠いものだが...
豊島与志雄 「童貞」
...朝日の光に咲きかける蕾(つぼみ)の色よりも...
永井荷風 「曇天」
...日当の悪い木立の奥に青白い紫陽花(あぢさゐ)が気味わるく咲きかけるばかりで...
永井荷風 「花より雨に」
...そばの花が咲きかけるとかにが下るといって...
中島哀浪 「かき・みかん・かに」
...花が咲きかける時にこやしをやって...
林芙美子 「お父さん」
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