...咯血の後、昏睡の前、言ふべからざる疲勞の夜の夢を、幾度となく繰返しては、今私の思出に上る生の母の顏が、もう眞の面影ではなくて、かの夏草の中から怨めし氣に私を見た、何處から來て何處へ行つたとも知れぬ、女乞食の顏と同じに見える樣になつたのである...
石川啄木 「二筋の血」
...』『松永はまだ咯血もしないだらう...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...或は最初のから咯血から一月と保(も)たないかも知れないと言ふんだ...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...松永は到頭咯血しちやつた...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...四辺(あたり)は一面の血――」「咯血なすったの?」「いいえ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「深夜の客」
...二度も三度も咯血(かつけつ)しました...
薄田泣菫 「恋妻であり敵であつた」
...三年前咯血をしてから...
高浜虚子 「子規居士と余」
...咯血の度数や小遣の出入(でいり)を書いた...
高浜虚子 「子規居士と余」
...どうしても咯血がとまらぬので氷嚢(ひょうのう)で肺部を冷し詰めたために其処(そこ)に凍傷を起こした...
高浜虚子 「子規居士と余」
...居士は病床に寝たままで枕元の痰吐きに沢山咯血をしていた...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...喉間(こうかん)咯々(かく/\)声あるに至る...
夏目漱石 「人生」
...歩行くたびに血を咯(は)くので...
正岡子規 「病」
...しかし入院後一日一日と病は募(つの)りて後には咯血に咽(む)せるほどになってからはまた死にたくないのでいよいよ心細くなって来た...
正岡子規 「病」
...強壮な人でも多量に用いると害になりますが脳の悪い人や肺病で血を咯(は)く人やあるいは心臓の悪い人や妊娠中の婦人や脚気(かっけ)病人や眼病の人には絶対的に禁じなければなりません...
村井弦斎 「食道楽」
...突然咯血して病床に横はつたまでの足掛け三ヶ年間に渉る自分のまづしい收穫で且つ蘇生した人間の靈魂のさけびである...
山村暮鳥 「風は草木にささやいた」
...血を咯(は)きながら修史何十年の悲壮な努力の姿は...
吉川英治 「剣の四君子」
...彼女(かのぢよ)は多量(たりやう)の咯血(かくけつ)の中(なか)にのめつてゐた...
若杉鳥子 「彼女こゝに眠る」
...初太郎が熊本で高等學校の入學試驗を受けに行つてゐて勉強過度の結果急に血を咯(は)いて...
若山牧水 「古い村」
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