...従つて僕は君を咎(とが)めない...
芥川龍之介 「或旧友へ送る手記」
...咎むる者の無きを機(き)とし...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...お母さんに叱られたら僕が咎(とが)を背負うから……人が何と云ったってよいじゃないか」何というても児供だけに無茶なことをいう...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...もはや順慶の怠慢を咎(とが)める必要もなかったのであろうが...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...240ヂオメーデース勇武の士、再び衆の前に曰ふ、『自ら伴を選ぶべく諸君子我に命ぜんか?さらば取るべしオヂュシュウス、聰明、神に似たる者、千辛萬苦迫る時彼の心と勇氣とは、優にぬきんづ、アテーネー神女は彼をいつくしむ、 245彼もし我と共ならば猛火をさへも逃れ得て、安らに歸り來るを得む、彼れ策謀にすぐれたり』耐忍強きオヂュシュウス、神に似る者答へ曰ふ、『チュウデーデーよ、あまりにも我を讚することなかれ、咎むるなかれ、いふ處、アルガイ族はすでに知る...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...どんなことがあっても人を咎(とが)めない...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...決して咎(とが)むべきにあらず...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...落着いて咎(とが)め立てをする勇気が出ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...お咎めになるまでもなく...
中原中也 「亡弟」
...咎(とが)められたのが好都合になって様々の好誼(こうぎ)をうけ...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...平家よりのお咎めの方をどうしたものか...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...この愛を咎(とが)めないで下さい...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...消えてかげなきものゆゑ華やかなるものを慕ふ人間の心になにとて咎あるべき...
室生犀星 「忘春詩集」
...深くは咎めないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「ゆだんだなあ梅八」通助が咎めるように眼をあげた...
山本周五郎 「新潮記」
...戦国の世のことゆえ向背(こうはい)のつねならぬはさして咎(とが)むべきではないにしても...
山本周五郎 「日本婦道記」
...無礼をお咎(とが)め下さいますな」つい両三年ほど前からやっと仮屋普請(ぶしん)の軒並みが建ち始めて...
吉川英治 「新書太閤記」
...聞き咎めて――「その...
吉川英治 「平の将門」
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