...ほとんど呻吟する様な声で...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...其處には唾をはくことも呻吟することもなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...どん底に呻吟する貧苦の種々相をみつづけてきた正造は...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...獄裡に呻吟する身とはなりけるなりといふ...
大町桂月 「鹿島詣」
...その荒涼の現實のなかで思ふさま懊惱呻吟することを覺えたわけである...
太宰治 「猿面冠者」
...いま恍惚と夢見るようにまっしろな球形の頭を微風になびかして音もなくふっわりと羽蟻のごとく飛びゆく数々の種子は青空の彼方へ飛び行く種子よ!周囲に呻吟するおれの希望を...
陀田勘助 「たんぽぽとおれの感傷」
...唯ラオコオンの呻吟するのを聞き...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...水車小屋の片隅の藁屑の中に呻吟する樣を見られて...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...とうとう私は黒板の前に呻吟する生徒の最後の一人となって残った...
戸坂潤 「ひと吾を公式主義者と呼ぶ」
...あゝ生きてゐることも仇(あだ)だつたと云つたやうな呻吟する氣持ちをもつてゐたのが...
林芙美子 「旅人」
...人の呻吟する声その他の物音を聞かざりき...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...併し乍ら痩せ細って日夜病苦に呻吟する良人を...
細井和喜蔵 「女給」
...余をして幾何(いくばく)か獄窓に呻吟するにまさると思はしむる者は此十歩の地と数種の芳葩(ほうは)とあるがために外ならず...
正岡子規 「小園の記」
...今更骨と汁のほかに一物なきを知って狼狽(ろうばい)の末呻吟する...
南方熊楠 「十二支考」
...呻吟する人のように東湖はつづけた...
山本周五郎 「新潮記」
便利!手書き漢字入力検索