...縷々(るる)予が呪ふ可き半生の秘密を告白したるは...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...わしはみじめな田舎の僧侶をしてゐたが、毎夜、夢には――わしはそれが悉く夢ならむ事を祈つてゐるが――最も五慾に染んだ、呪ふ可き生活を、云はゞサルダナパルスの生活を送つてゐた...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...無意味にして呪ふ可き事だとは少しも思はない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...僕は寧ろ女性を呪ふ前に男性を呪ひたい...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...一方に「過去」を理想として現實を呪ふ人も亦次第に其數を増して來る有樣である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...その人生を暗くする力を呪ふのは洵に無理もない次第である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...この夢とこの夢を見る自分の人格とを呪ふ心持は...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...呪ふなら、もツと、しツかり呪へ! 丑滿どきに隣りの寺のあのおほ檜の木の天邊へでも登つて、ハイカラの藁人形を釘打ちにするがいい...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...自分の運命を呪ふやうな...
種田山頭火 「行乞記」
...呪ふべき焼酎よ、お前と私とはほんとにくされ縁だねえ...
種田山頭火 「其中日記」
...こらへることのできない私を呪ふ...
種田山頭火 「其中日記」
...異性を呪ふ心とか...
田山録弥 「三月の創作」
...齒を剥(む)いて二人を呪ふのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その時代の風習こそ呪ふべきだつたのだ...
長谷川時雨 「「郭子儀」異變」
...………………おゝ これはこれノルマンデイの草原から長蛇船(ロングサーバント)の櫂をそろへて勇ましく波を越え また波と闘ひ月を呪ふ国に到着したガスコンの後裔………………と歌つた...
牧野信一 「酒盗人」
...物質を呪ふ「純粹なる」意識は實踐的であることが出來ない...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...天の逆手を拍て呪ふ事見ゆ...
南方熊楠 「詛言に就て」
...近い頃までも稀には男を呪ふ女が祈願をかけたといふ話を聽いたが...
柳田國男 「伊豆大島の話」
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