...渇きを覚えてゐる強い力――殊に異性の雄々しい圧力――これを提(さ)げてあなたに迫るものがあつたとしたら...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...)然しながら縦令(たとひ)俗物(ぞくぶつ)に渇仰(かつがう)せらるといへども路傍(みちばた)の道祖神(だうろくじん)の如く渇仰(かつがう)せらるにあらす...
三文字屋金平 「為文学者経」
...京の旅人渇けるに...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
... 165餓と渇とは迫り來て歩むに膝は惱むべし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...甲の飢えや乙の渇(かわ)きや...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ということを説いた処が二百余人の大衆よりはじめて随喜渇仰(かつごう)極まりなく...
中里介山 「法然行伝」
...何處(どこ)か人懷(ひとなつ)こい處(ところ)があつて只管(ひたすら)に他人(たにん)の同情(どうじやう)に渇(かつ)して居(ゐ)たお品(しな)の母(はゝ)の何物(なにもの)をか求(もと)めるやうな態度(たいど)が漸(やうや)く二人(ふたり)を近(ちか)づけた...
長塚節 「土」
...そのくせ病気の時にしか使わない渇くという昔風の言葉を...
夏目漱石 「こころ」
...喉(のど)が渇いて仕様がないから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ミショノー嬢は自分の渇望を見透かされるのを恐れて...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...江戸つ子の渇仰者だつたから...
牧野信一 「淡雪」
...渇して瓜畑の番人に瓜一つ乞ふと是は石なりとて與へず...
南方熊楠 「詛言に就て」
...その女が対手に対する自分の感情を自覚したときには同時に母となるよろこびへの渇望もめざまされていました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...夏の野外遊びには極(ご)く珍重されて人の渇(かわ)きを治(じ)しますが携(たずさ)える時水気が浸(し)み出しますからお気をつけなさい...
村井弦斎 「食道楽」
...渇して纔(わず)かに吸う希望の露に命を繋いでいる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...医者から熱の渇きをいやされることを欲しなかったという人の話もしている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...渇(かわ)いた口は...
吉川英治 「松のや露八」
...飲ませてくれまいか」渇(かわ)き切ったような声をふるわせていう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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