...命の衰え行くのを警告する狂わんばかりの渇(かわき)を止めているのもお前の運命なのかもしれぬ...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...或る意味に於ては支那智識に渇して居る我々にとつて便利でもあるが...
橘樸 「支那を識るの途」
...我れ人ともにアッというようなものを僕は見たいんだ」芝居と見世物という二つの道楽――しかも十年もかよいつめてやっと渇望をみたしたのに...
モーリス・ルヴェル 田中早苗訳 「或る精神異常者」
...眼はもの憂く渇き江北の雨は胃袋にまで浸み徹る自転車――失業者...
丹沢明 「千住大橋」
...熱で渇いた口に薫りの高い振出(ふりだ)しをのませ...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...情意の涸渇、志操の頽廃、傲慢な功利主義と享楽主義...
豊島与志雄 「ジャングル頭」
...好(す)きな煙草(たばこ)とコツプ酒(ざけ)に渇(かつ)することはなかつた...
長塚節 「土」
...そうして渇よりも恐ろしい餓(ひも)じさが腹の中を荒して歩くようになった...
夏目漱石 「思い出す事など」
...お前は影のために渇き...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「ウスナの家」
...口中が渇き食欲が狂ってくる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...渇きを感じない程度にたいてい口中をかわかしておく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...彼はつねに渇いていた...
山川方夫 「その一年」
...非常に喉(のど)の渇く晩だった...
山本周五郎 「青べか日記」
...渇いた者が水を求めるように...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...人夫達は平生の渇を一時に満たすと云ふ風に...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...十人の渇(かつ)をしのぐには充分足りる...
吉川英治 「新書太閤記」
...若い者は話題に渇(かわ)いている...
吉川英治 「新書太閤記」
...それほどにうまきかとひとの問ひたらば何と答へむこの酒の味眞實、菓子好の人が菓子を、渇いた人が水を、口にした時ほどのうまさをば酒は持つてゐないかも知れない...
若山牧水 「樹木とその葉」
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