...私が向き直ると、ヤコフ・イリイッチは一寸苦がい顔をして、汗ばんだだぶだぶな印度藍のズボンを摘まんで、膝頭を撥(はじ)きながら、突然こう云い出した...
有島武郎 「かんかん虫」
...前田はクルリとその友達の方に向き直ると...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...医師は向き直ると厳しい渋面を作った...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「親友たち」
...大へんだわ」私は机に向き直る...
外村繁 「日を愛しむ」
...船は殆ど直角に向き直る...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...こぶしを膝において向き直る...
中里介山 「大菩薩峠」
...私の方に向き直ると云ふのであつた...
中原中也 「亡弟」
...相手の方に向き直る...
夏目漱石 「虞美人草」
...北へ向き直ると、まともに顔へ当る...
夏目漱石 「三四郎」
...この時君の長い首は必ず後ろに向き直る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...聴衆のほうへ向き直ると...
久生十蘭 「キャラコさん」
...群衆の方へ向き直ると芝居染みた邀越な口調で...
久生十蘭 「魔都」
...あの右から二番目の二階の窓が鶴子が身投げをしたという窓だね」「そうですの」真名古はゆっくりと花の方へ向き直ると...
久生十蘭 「魔都」
...真名古の方に向き直ると...
久生十蘭 「魔都」
...検使の帰る所にては手をついたるままその方に向き直る...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...だから向き直るとすぐしずかに低頭した...
山本周五郎 「新潮記」
...やがて向き直ると...
山本周五郎 「橋の下」
...またそっちへ向き直るわけにもいかず...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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