...目上の人から招待(せうだい)される有難さは知つてゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...それがだんだんと広がり、千駄ヶ谷方面、代々木、柏木、と、もうとうていまわり切れないほど広範囲にお得意を持つようになった、すると今度はお得意様の方から「どうだ一つこちらへ支店を出しては」というお心入れで、私はそれをききました時は、有難さに泣き、ああもったいないと思いました...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...そのやうに雲表はるかに高く巍然燦然と聳えて居られる至尊のお方のおはしますこの日本国に生れた事の有難さに...
太宰治 「右大臣実朝」
...この山椒魚の有難さを説いて聞かせようと思ったとたんに...
太宰治 「黄村先生言行録」
...この深い山の御堂にこの上もない有難さをひろげてゐるやうに見えた...
田山花袋 「道綱の母」
...それに比べたらこの御堂の有難さは! この御堂の壯嚴さは! またこの本尊の尊さは! 實際窕子には昔の佛の力が今にもまざまざと存在して...
田山花袋 「道綱の母」
...このなかみの有難さは...
中里介山 「大菩薩峠」
...あんまり有難さに一両の金を出しますと...
中里介山 「大菩薩峠」
...封建ブロックの一つの有難さと言わなければならぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...有難さうに温めて置いた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まさに一刻千金(いつこくせんきん)の有難さだつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それでも有難さうに啜(すゝ)つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「あの屋上庭園は下まで六十尺もある、こんな時は高い建築も悪くないな」「それに、郊外の有難さで、お邸(やしき)の外の家へは五六丁もあるから、余程大きい声を出しても聞えませんね」黒津は男爵に阿(おもね)るように、窓から夕暮の景色を眺め乍ら、こう言います...
野村胡堂 「判官三郎の正体」
...徳の美しさも有難さも知らないやからと言わねばならない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...私たちはしみじみと健康の有難さを感じます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...彼はその有難さに日常身の置くところを知らず...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...文化の最大の有難さは...
横光利一 「欧洲紀行」
...何かこう御仏(みほとけ)の手でこれへ体を運ばれたような心地がして――有難さに...
吉川英治 「親鸞」
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