...タオルの手拭ひで向う鉢巻きをしたその黒い顔は...
太宰治 「津軽」
...「合点(がってん)だ」向う鉢巻が返答する...
中里介山 「大菩薩峠」
...見れば、荷駄馬の手綱(たづな)をそこへ抛(ほう)り出した一人の馬子、相撲取と見まがうばかりの体格のやつが、諸肌(もろはだ)ぬぎに、向う鉢巻で、髭(ひげ)だらけの中から悪口をほとばしらせ、「待ちやがれ――この三ぴん」追いかけて、つかまえたのは、さいぜん道庵先生が嘲笑(あざわら)った三人連れのお差控え候補者の中の、いちばん年かさな侍の刀の鐺(こじり)です...
中里介山 「大菩薩峠」
...怒りを向う鉢巻の心頭より発して食ってかかり...
中里介山 「大菩薩峠」
...揃いの着物に向う鉢巻の気負いが五人...
中里介山 「大菩薩峠」
...向う鉢巻勇ましく...
中里介山 「大菩薩峠」
...国もと住居(すまい)とやらせたことから起ったことだよお前は元来立派な御家門何はさて置き出でずばなるまい向う鉢巻...
中里介山 「大菩薩峠」
...いたるところ向う鉢巻三味線入りで...
長谷川時雨 「勝川花菊の一生」
...玉襷(たまだすき)に白足袋(しろたび)、向う鉢巻...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...気早やに白地大型ゆかた、片肌脱ぎ、尻はしょり、向う鉢巻...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...頭の上にちょんと(人を嘲弄(ちょうろう)するような恰好で)向う鉢巻をし...
山本周五郎 「七日七夜」
...向う鉢巻の坊主が踊っていたりした...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...すると上機嫌で先棒を担いでいた湊屋の若い奴が向う鉢巻で長持唄を歌い始めた...
夢野久作 「近世快人伝」
...その舳先(へさき)に仁王立ちになった向う鉢巻の友吉おやじが...
夢野久作 「爆弾太平記」
...……ドウするか見ろ……というので事件の翌(あく)る日から毎日事務所に立て籠もって向う鉢巻でこの報告書を書き初めたもんだが...
夢野久作 「爆弾太平記」
...中には上半身裸体で屑屋みたいな継ぎハギの襤褸(ぼろ)股引を突込んだ向う鉢巻で「サア来い」と躍り出るので...
夢野久作 「ビール会社征伐」
...思い思いに向う鉢巻...
吉川英治 「剣難女難」
...向う鉢巻の男が弓の折れを持って看板板を叩きながら気狂いじみた喚(わめ)き声(ごえ)を揚げはじめる...
吉川英治 「剣難女難」
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