...向う岸の人が縄を手ぐり込む...
石川欣一 「可愛い山」
...北沢が向う岸の人の話をする...
石川欣一 「可愛い山」
...向う岸では、板子の軋(きし)りと水を打つ橈の音が聞えたと見え、「急げ、急げよう」と叫んでいる...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...そう思うて見るせいか四条の大橋の彼方に並ぶ向う岸の家つづきや八坂(やさか)の塔の見える東山あたりには...
近松秋江 「黒髪」
...逗子養神亭から見た向う岸の低い木柵に凭(もた)れている若い女の後姿のスケッチがある...
寺田寅彦 「海水浴」
...大抵の場合は、それを苦もなく飛び越えて、向う岸に移るが、これは足場が悪い...
中里介山 「大菩薩峠」
...絶対的の向う岸で...
中里介山 「大菩薩峠」
...向う岸の動静を聞いて置きたいという心持と...
中里介山 「大菩薩峠」
...向う岸には戦利品のブイや錨(いかり)がたくさん並んでいる...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...向う岸へ引返した方がよかろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その流れの向う岸は...
堀辰雄 「馬車を待つ間」
...向う岸の海軍大学の景色も昔通りだった...
水上滝太郎 「大人の眼と子供の眼」
...」カムパネルラが向う岸の...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...日本鋼管の向う岸の建物が昭和鋼管...
山之口貘 「ダルマ船日記」
...向う岸へ着いて「当るよウ」と船頭の一声...
山本笑月 「明治世相百話」
...向う岸の四貫島(しかんじま)の森から白い鳥群が粉のように飛び立つのが見えた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...向う岸などは此処から見ると藍色味を帯びているように見えた...
蘭郁二郎 「植物人間」
...向う岸の崖に懸り...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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