...見ましょう」熊浦氏の特徴のある吃り声が制した...
江戸川乱歩 「悪霊」
...韃靼人は吃り吃り話して行った...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...わたしは吃り吃り切りだした...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...Rさんが云つたやうに別段あなたが吃りでも聾者でもないらしいのが解つて嬉しいのよ...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...三人が烈しく吃り合ひながら...
室生犀星 「末野女」
...吃りといふものは頭で吃るからだ...
室生犀星 「末野女」
...あの人達を見てゐるとあたしもここで吃りの復習をしてゐなければならないんです...
室生犀星 「末野女」
...併しなんといふ吃りといふものは息苦しいものだ...
室生犀星 「末野女」
...まだ稚なければしばしば啼き吃りまた啼きもどりつつさぶしき日をくりかへしゐる...
室生犀星 「忘春詩集」
...一人なら吃りながらでも喋(しゃべ)れるが...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...い」感激のあまり吃りが昂進したらしかった...
山本周五郎 「似而非物語」
...「あのときのあれが」と彼は吃り...
山本周五郎 「さぶ」
...女狐はまだ喚いていたが、下へおりると女中のおかつが、二人の草履を揃(そろ)えて待ってい、なにか慰めを云いたそうであったが、吃りであるため、ただ顔を赤くし、意味不明な声を出すばかりであった...
山本周五郎 「へちまの木」
...文華堂の夫婦、吃りの女中、小舟町のおるい、刷り部屋の三人、その他もろもろの人間や景物が、いまはふしぎなほど自分から遠くなり、べつの世界のように感じられるのであった...
山本周五郎 「へちまの木」
...「そちらは畑どのの御姉弟だな」「ええそうです」と新八が吃りながら云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...そして「本所です」と吃りながら答えた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...又平の吃りに特別念入りの引きどもで一言一句五体をふるわして絞り出す必死の苦しみ...
山本笑月 「明治世相百話」
...李立は吃(ども)り吃り語った...
吉川英治 「新・水滸伝」
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