...薄根の二水を南北に帯び……というと古めかしいが...
石川欣一 「山を思う」
...それは古めかしい三階建の煉瓦造だった...
海野十三 「深夜の市長」
...おそろしく古めかしい「クマむすめ」という...
江戸川乱歩 「超人ニコラ」
...木犀の花はぢぢむさく、古めかしい、金紙銀紙の細かくきざんだのを枝に塗りつけたやうな、何の見所もない花で、言はばその高い香気をくゆらせるための、質素な香炉に過ぎないのだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...この細い一本道の提供する古めかしい楽天さ(ケア・フリイ)を愛する...
谷譲次 「踊る地平線」
...感動し儀式ばり心酔した古めかしい形式の手紙で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...音楽を閑人(ひまじん)の業(わざ)だと考える古めかしいフランス人だったのである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...古めかしい金襴の袋にはいってる鬼子母神様の御守札があった...
豊島与志雄 「田園の幻」
...爺さんと婆さんとがいる古めかしい庭がそこにあって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...橋梁はまた遠からず近世の都市より渡船なる古めかしい緩(ゆるや)かな情趣を取除いてしまうであろう...
永井荷風 「日和下駄」
...前世紀の遺物のような一戸建の古めかしいパヴィヨン(離屋)...
久生十蘭 「悪の花束」
...高い古めかしい爐棚(ろだな)に頭を支へたこの部屋の盲目の主の姿が見えた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...アウエルバツハの古めかしいワン・スタンザを借用して...
牧野信一 「歌へる日まで」
...長押の上には大昔の薙刀や槍や陣笠などがならべてある古めかしい家の長男であり...
牧野信一 「西部劇通信」
...上町の中心は古めかしい家が道を挟んで軒を連ねていた...
松濤明 「春の遠山入り」
...こんな古めかしい漢語芝居が行われつつあるのを見て...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...古めかしい一構(かま)えの屋敷がある...
吉川英治 「江戸三国志」
...古めかしい宿場の形をなしていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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