...また古めかしい風見を...
モオパッサン 秋田滋訳 「寡婦」
...薄根の二水を南北に帯び……というと古めかしいが...
石川欣一 「山を思う」
...型は至極古めかしい自動車がとおりかかった...
海野十三 「暗号数字」
...古めかしい織物の表紙のついた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...木犀の花はぢぢむさく、古めかしい、金紙銀紙の細かくきざんだのを枝に塗りつけたやうな、何の見所もない花で、言はばその高い香気をくゆらせるための、質素な香炉に過ぎないのだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...彼は古めかしい騎士道の身ぶりをもってそれを果たした...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...畜生! 古めかしいと笑ひ給へ...
太宰治 「道化の華」
...あのシトロン君はまだ聖ケヴィンズ・パレードに達者で勤めているかしら? またあの古めかしい琵琶を持ってるマスティアンスキ...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...破損が却って風致をましてる工科大学の古めかしいシャトーを背景にして...
豊島与志雄 「地水火風空」
...それらの感情は新しい画工のいわば稚気(ちき)を帯びた新画風と古めかしい木板摺の技術と相俟(あいま)って遺憾なく紙面に躍如としている...
永井荷風 「日和下駄」
...縁側(えんがわ)を前に御簾(みす)のような簀垂(すだれ)を軒に懸けた古めかしい座敷であった...
夏目漱石 「行人」
...今は古めかしいこの詞も結局は永遠の眞理である...
南部修太郎 「氣質と文章」
...さびた金具などのついた古めかしい門である...
新美南吉 「嘘」
...ずいぶん古めかしいものだったが...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...年寄や婦子供のみの古めかしい屋根の下に行灯や雪洞の光りのまはりで寂しく蟋蟀のやうな日夕を送り迎へてゐた者共にとつては...
牧野信一 「熱海線私語」
...シエードの周囲に氷柱(つらら)のやうなヒラヒラがついてゐる古めかしい台ランプが点つてゐるのだ...
牧野信一 「痴酔記」
...只入江のほとりの古めかしい大きな家の二階にあんな弟妹の住んでゐるのが...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...古めかしい庄家の家で泊った...
山本周五郎 「おばな沢」
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