...「口許に指を当ててシーっとする」...
...「嘘をつくと口許が揺れる」...
...「口許が緩んで笑いをこらえる」...
...「口許にほころびが生まれる」...
...「不満そうに口許を尖らせる」...
...とてつもない侮蔑の色がわが口許にのぼつてゐるのにこの頃よく氣がつきます...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...口許(くちもと)の婀娜(あだ)たる微笑(ほゝゑみ)...
泉鏡太郎 「艶書」
...」と髯(ひげ)のべったりした口許(くちもと)に笑(わらい)は見せたが...
泉鏡花 「婦系図」
...鼻は細君より少し低いが口許は細君のと反對に可愛ゆらしくちんまりして顏立ちは全體に惡くない...
高濱虚子 「俳諧師」
...お肚(なか)の中ではね……オホホホホホ」と妻は耳輪を重たげに檜扇(ひおうぎ)で口許を掩(おお)って...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...随分奥様もお人が悪いじゃございませんの?」「…………」口許(くちもと)に笑いを忘れたまま...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...視線が合ふと女の口許に微笑が浮んだ...
田中貢太郎 「雑木林の中」
...あまり人相のよくないその男は「イカネエ」と強い意味をその横にひん曲げた口許に表示したかと思うと...
寺田寅彦 「柿の種」
...一体、人の感情の動きは、口許の陰影や、頬の筋肉や、顔の色や、眼の輝きなどに、現われることが多いものであるが、菊池君に於ては、最も多く――と云うより寧ろ唯一に、眼の瞬きとなって現われるようである...
豊島与志雄 「最近の菊池寛氏」
...そのままの顔付で口許に微笑を浮べた...
豊島与志雄 「同胞」
...彼は口許にかすかに冷笑を浮べながら...
豊島与志雄 「水甕」
...へツへ」むしろ好んで皮肉を衒(てら)ふやうなその歪んだ口許(くちもと)に深い皺を寄せ乍らにや/\と傲(ほこ)りがに裕佐の顔を見てゐた孫四郎はかう云つて高く笑ひ出した...
長與善郎 「青銅の基督」
...口許が可愛らしくて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...口許に妙な微笑(ほほえみ)を漂わせました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...南無三(なむさん)! 鼻はくっつかないのだ!……彼はそれを口許へ持って行って...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...その時急にむつつりと口許を固くして横を向いた彼女を見ると...
北條民雄 「青い焔」
...いやみな笑を口許に浮べてさゝやいた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...可愛い生毛の生えた口許にぎごちないような微笑を泛(うか)べた...
宮本百合子 「刻々」
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