...口碑のいい商品は、口承によって広まる...
...彼女の口碑はとても高い...
...また現今の口碑、儀式等が歴史研究の参考となるごとくに、現今の動物を比較解剖して、ある動物の進化の経路を知るための材料を獲ることもある...
丘浅次郎 「脳髄の進化」
...高徳(かうとく)の聞えは今も口碑(うはさ)にのこれり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...この案内者は外にもまだいろいろの口碑を知っていた...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...コロボックルが漁業(ぎよげふ)に巧(たく)みなりしとの事はアイヌ間の口碑(こうひ)にも存せり...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...然(しか)らば此輕(かる)き舟とは何を指(さ)すかと云ふに、口碑に隨へば、こは陸上にて荷(にな)ひ易(やす)く、水上にては人を乘するに足(た)る物なりとの事なり...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...この現象を抜きにしては伝説、説話、口碑、其の他は成り立たない...
戸坂潤 「思想としての文学」
...彼等は正さしく口碑的豪傑の尤なるものである...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...それで例へば口碑の研究をするとか...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...鵜飼の三次に行はれた起源は詳かにしないが、口碑によれば、天文永禄のころ毛利氏に亡された尼子浪人が、この地の磧洲に伏屋を結び、活計をたてたのに始まるといひ、当時夜そこからは細燈が漏れ、慈老鳥の啼き声しばしば市人の哀愁をひいたと伝へられる...
中村憲吉 「三次の鵜飼」
...千四百四十九年にバーガンデの私生子と称する豪のものがラ・ベル・ジャルダンと云える路を首尾よく三十日間守り終(おお)せたるは今に人の口碑に存する逸話である...
夏目漱石 「幻影の盾」
...聊斎志異の白雲石の口碑のように穴あり時に綿のような雲を吐かねばたらぬ...
室生犀星 「庭をつくる人」
...又伊沢氏の口碑に太田方(はう)の狩谷斎の門人なることを錯(あやま)り伝へてゐるのを聞いて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...口碑の伝ふる所のものもなく...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...一つの洞穴をその口碑と結び付けて居る以外に...
柳田國男 「信濃桜の話」
...越中立山の口碑では...
柳田国男 「山の人生」
...口碑の殆ど全部が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...こういう村の口碑が彼の死後百年ちかい後の記述にも筆にされる理由には...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...土地の口碑だの、巌流島に関する何かの材料は、市の史料編纂課だの、郷土史家の吉永卯太郎氏や古老をさがして、今日のうちにべつに社会部の記者を頼んで訪問させておきますから、こっちはその間に、風師山から武蔵碑のある延命寺山(えんめいじざん)だのを一巡して、あの辺を念入りに踏査なすったほうが能率的じゃありませんか...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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