...手に持っていた竹竿を草叢に落とした...
海野十三 「千早館の迷路」
...藪叢も構わず掻きわけては潜りこんで行く...
田中英光 「箱根の山」
...颯々の音も激しく叢雲を驅りつゝ二靈たちあがり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...ゆえに上古の歴史に平民社会を見ればあたかも万緑叢中(ばんりょくそうちゅう)一点の紅を望むがごとく実に愉快とも珍奇ともいうべけれども...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...」「然し樫も叢も皆枯れはてたものばかりのつもりですから……...
豊島与志雄 「二つの途」
...叢のなかに咲いてる小さな花の白と紫が...
豊島与志雄 「三つの悲憤」
...山麓叢林の住民よりも進歩したる一階級の民なり...
新渡戸稲造 「武士道の山」
...少年はその一つの叢(くさむら)を指しながら...
堀辰雄 「あいびき」
...そこには彼のゐる小徑から三尺ばかり高まつた草叢があり...
堀辰雄 「ルウベンスの僞畫」
...私は未だ宿屋の番頭なども繰り込まぬ人気のない待合所のベンチに腰を降して「新進作家叢書」とか「ウエルテル文庫」などゝいふ小型の和訳本を読んだ...
牧野信一 「熱海線私語」
...今その草の状を観ると『渓蛮叢笑』の文とピッタリ吻合(ふんごう)する...
牧野富太郎 「植物記」
...数年後には忽ち一叢をなし...
牧野富太郎 「植物記」
...先哲叢談續編に「先生後獲罪(せんせいはのちにつみをえて)...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...花一叢(いっそう)...
森鴎外 「文づかひ」
...これも二三日してから山の中の薄(すすき)の叢(くさむら)の中に...
柳田国男 「山の人生」
...まわりはいちめんの叢林だから...
山本周五郎 「風流太平記」
...冬もようやく去ろうとしている気配があたりの草叢から感じられた...
横光利一 「旅愁」
...人気のない海岸の草叢の中に消えてしまった...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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