...皆(みんな)一纏めに下宿屋の押入に取残した儘(まゝ)逃げて来たので...
薄田泣菫 「茶話」
...そのまゝ出さずに取残して置くといふ傾向がある...
田山録弥 「文壇一夕話」
...一種不思議な気分の中に取残して...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「秘密の庭」
...雑作改造の時に取残してある三畳の室があった...
豊島与志雄 「潮風」
...取残した荷物を一ツなりとも多く持出そうと立戻ったなり返って来なかったという...
永井荷風 「草紅葉」
...万字楼に病人を一人取残しておいたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...取残しがございましても...
中里介山 「大菩薩峠」
...高山へ取残して置いた三百両ほどのお蘭どののお手許金を...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして私をそこへ取残したまま...
夏目漱石 「行人」
...親分」「そんな事だろうな」お柳の死骸の手に握ったのだけを取残して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ただKが帽子を部屋に取残して手にしていないのに気づくと...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...故(ことさ)らにこれのみを取残し...
穂積陳重 「法窓夜話」
...取残して珍重せられたというに過ぎぬ...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
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